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変わりゆく「伝統的4資産」 企業年金の運用、グローバル区分の概念に

企業年金を運用する際の資産配分で国内と海外という地域の区分を取り払い、グローバル株式、グローバル債券として管理する傾向が強まっている。日銀の大規模な金融緩和が長引き、国内債券の収益低下に歯止めがかからない状況が背景にあるようだ。JPモルガン・アセット・マネジメントの調査によると、グローバル区分を採用する企業年金の比率は増加傾向にあり、2018年の調査では2割を超えた。

■「伝統的4資産」の概念に変化、「代替投資」シフト鮮明

資産運用では投資対象を商品と地域から①国内株式②国内債券③海外株式④海外債券--の4つに区分するのが一般的で、この4つが「伝統的資産」と位置付けられている。一方、インフラ、実物不動産、不動産投資信託(REIT)、ヘッジファンド、コモディティといった伝統的資産以外の対象は「オルタナティブ(代替投資)」と呼ばれる。

JPモルガン・アセットが18年3~6月に国内の確定給付年金(DB)を中心に123の企業年金を対象に調査(2017年度企業年金運用動向調査)したところ、資産配分・資産管理で「伝統的資産」の概念が変化していることが明らかになった。

グローバル区分の採用が増える一方、代替投資の配分比率が高まる傾向も鮮明だ。企業年金があらかじめ計画する資産配分のベースで、代替投資の配分比率は17.1%と、08年度の調査開始以来で最高となった。    

代替投資は株式や債券とは異なるリスク・リターン特性を有するため、運用効率の向上が図れるとして、公的年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が運用資産の一部に組み入れ始めるなど、年金運用で活用が目立ってきた。

■企業年金の運用は保守的で、予定利率も低下傾向

企業年金の運用は元来、予定利率を確実に達成する保守的な運用に徹し、リスクを取って大きく稼ぐのを目指す運用とは無縁だった。ところが国内の超低金利の長期化で、国内債券の収益が悪化し、企業年金の予定利率も低下傾向が続く。調査対象企業年金の平均で7年前の約2.8%から足元では約2.3%まで低下した。

グローバル区分採用や代替投資シフトは、予定利率を引き下げても国内債券を軸にした運用では達成するのは難しいという状況を反映している。JPモルガン・アセットは「現在は米国を中心とした世界的景気拡大の後期にあるが、いずれは景気後退のサイクルに入るので、運用難が続くことを踏まえる必要がある」と指摘する。企業年金の資産配分や資産管理の考え方も変化を迫られている。

(QUICK資産運用研究所 高瀬浩)

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