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鯨ざぶーん、ESG投資の拡大期待じわーり  QUICK月次調査<株式>

株式市場で幅広い銘柄を一気に買うことから「鯨」と呼ばれる年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が、環境や企業統治のテーマを重視するESG投資を開始してから1年が経過した。QUICKの月次調査<株式>によると、この1年で株式市場関係者のESG投資に対する見方もやや前向きに変化した。調査期間は7月31日~8月2日。証券会社および機関投資家の株式担当者149人が回答した。

ESG投資は、利益など財務の分析だけでなく環境や社会、企業統治の3分野に対する企業の取り組みを考慮して投資先を選ぶ。公的年金を運用するGPIFは運用資産の158兆円のうち、約26%にあたる41兆円弱を日本株に投資している。ESG投資の投資金額は1兆円からスタートし、数年かけて3兆円程度まで引き上げるとしている。

QUICKでは、GPIFがESG投資の開始を発表した17年7月に市場関係者にESGについてアンケート調査した。今回の調査では1年前と全く同じ項目を聞き、マインドがどのように変化したか調べた。

ESG投資の拡大余地について聞いたところ、1年前は「徐々に拡大する」と答えた人は全体の67%だったが、今回は79%に上昇した。

興味深い点はESG投資に関する懐疑的な見方が減少したことだ。1年前にESG投資について「一過性のブームに終わる」と答えた人が13%、「大きな変化はない」との回答が14%あったが、今回はそれぞれ9%、8%に低下した。

ESG投資が企業経営に与える最も大きな影響を聞いたところ、前回と同様に今回も「長期的な企業価値の向上を後押しする」が最多で34%を占めた。


国内株式のパフォーマンスに与える影響については、「中長期的なパフォーマンス向上につながる」が前回の35%から50%に上昇した。かつてパフォーマンスとの関係が不透明との見方から冷ややかな見方が多かったが、ESG投資に対する理解が深まるにつれて前向きなとらえ方が増えているようだ。

GPIFは現在、日本株に投資する3つのESG指数に連動を目指すパッシブ運用をしている。これら3指数それぞれの構成銘柄のトップは直近でトヨタ自動車(7203)、KDDI(9433)、キーエンス(6861)だった。ESGの切り口だけで株価の値動きを判断することは難しいが、これら3銘柄の年初から8月3日までの株価はキーエンスを除いて日経平均株価を上回った。市場関係者からは「認知度がアップするには、『ESG スコア』が良い企業の株価パフォーマンスが目立って良くなることが必要」(証券会社)との指摘があった。

GPIFが連動を目指すESG3指数の構成銘柄トップと日経平均の推移

国際組織のGSIA(Global Sustainable Investment Alliance)によると、16年の世界のESG投資の運用残高は約22兆ドルだった。このうち欧州が53%を占め、次いで米国が38%だった。ESGで先行する欧州ではインテグレーション(統合)投資の広がりにより、運用資産規模が格段に大きくなった。今回はじめて、どのようなスタイルのESG投資が今後広がるか質問したところ、インテグレーション(ESG要素を考慮した投資)との回答が35%と最も多かった。

ESG投資の運用資産の世界に占める日本の比率は2%と欧米と比較するとごくわずか。だがエーザイ企業年金基金が年内にESG投資を始める見込みなど、裾野が広がり運用資産が拡大する可能性もありそうだ。

 

※QUICKでは株式や債券、外為部門などの市場関係者を対象に毎月、足元の景気や相場動向についてアンケートを実施。結果を「QUICK月次調査」として各部門ごとに公表しています。「QUICK月次調査<株式>」はヒストリカルデータも含めて、QUICKの情報端末からダウンロードできます。

 


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