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成長痛アマゾン、投資家も我慢どき 翌日配送や商品監視でコスト増

NQNニューヨーク=岩本貴子

成長への痛みに警戒感が広がっている。米アマゾン・ドット・コムが24日夕に発表した2019年7~9月期決算は、9四半期ぶりに純利益が前年同期比で減少した。インターネット通販事業を中心に投資が膨らみ、採算のいいクラウドサービス「AWS」の成長も鈍化した。利益率悪化は株価の重荷になっており、投資家の我慢の時期は続きそうだ。

時間外取引で株価急落

7~9月期の純利益は前年同期比26%減の21億3400万ドルだった。前年同期比で減益となるのは17年4~6月期以来。売上高は24%増えたが、主力のネット通販の投資が膨らんだのが響いた。純利益がQUICK・ファクトセットがまとめた市場予想(23億1300万ドル)を下回り、24日の米株式市場の時間外取引でアマゾン株は通常取引の終値から9%安まで売り込まれる場面があった。

アマゾンは米国や海外で有料の会員制サービス「プライム」利用者向けに無料で翌日配送するサービスの地域を広げるため、従業員や配達網、在庫などを増やしている。7~9月期の世界の配送コストは96億800万ドルと前年同期から46%増えた。通販事業は小売大手のウォルマートなどがインターネットと店舗を組み合わせた当日受け取りに力を入れており、米国を中心に競争が厳しくなっている。

10~12月期は営業減益見通し

消費が盛り上がる年末商戦を控え、アマゾンのブライアン・オルサブスキー最高財務責任者(CFO)は24日のアナリスト向け説明会で「10~12月期の翌日配送サービスへの支出は4~6月期のおよそ倍になる」と述べた。翌日配送が広がれば、売上高は伸びるが利益率は一段と悪化しかねない。アマゾンは10~12月期の営業利益を12億~29億ドルと前年同期比で減益を見込む。

外部の販売業者などが通販サイトで販売する商品の監視コストも膨らむ。アマゾンの幹部は22日、米ウォール・ストリート・ジャーナル紙のイベントで「将来、偽造品や期限切れ食品などの販売を防ぐために投資する必要があるかもしれない」と述べた。ウォール紙などは模造品や規制を満たさない商品が出品されていると繰り返し報じている。

競争激化クラウドも伸び鈍る

ネット通販事業での積極的な投資を支えてきた利益率の高いクラウドサービス「AWS」で売上高や利益の伸びが鈍化しているのも気がかりだ。7~9月期の営業利益は前年同期比9%増にとどまった。マイクロソフトやグーグルとの競争激化に加え、マーケティング費用や設備投資が膨らんでいるためだ。

利益の伸び鈍化を背景に、アマゾンの株価は上値が重い。年初から23日までの上昇率は17%とS&P500種株価指数(20%)やナスダック総合株価指数(25%)を下回る。アルファベットやフェイスブックといったほかの大手ハイテク企業の上昇率に比べても見劣りする。

アマゾンは1997年の株式公開後は投資が先行して赤字が続いたが、通販事業やクラウドサービスの高成長につながり市場の評価は高かった。ネットの巨人となった現在は、投資の増加が利益に結び付きにくいことに投資家はしびれを切らしつつある。投資家の忍耐が続くうちに利益拡大の道筋を描けるか、株価が上昇の勢いを取り戻せるかどうかはそこにかかっている。

※日経QUICKニュース(NQN)が配信した注目記事を一部再編集しました。QUICKの情報端末ではすべてのNQN記事をリアルタイムでご覧いただけます。

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