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米イラン衝突リスク一服で反落 金が原油ほど売られない理由

日経QUICKニュース(NQN)=藤田心

9日の東京商品取引所で原油と金が大幅に反落している。トランプ米大統領による8日の演説後、米国とイランの全面的な武力衝突への懸念が和らぎ、安全資産として買われていた金と安定供給への不安から買いが入っていた原油はともに値下がりした。米国による司令官殺害の報復でイランが駐イラク米軍基地を攻撃したのをきっかけとする8日の相場上昇分は、どちらも帳消しとなった。下落率をみると原油への売り圧力がより目立ち、売りの勢いには濃淡もみられる。

東京原油(グラフ青)と東京金(グラフ赤) いずれも中心限月 

軍事力を「使うことを望んでいない」と述べたトランプ氏の演説後、東京原油は中心限月の6月物が9日未明の時間外取引で一時1キロリットル4万1260円まで売られた。8日の高値4万5320円から約9%下げた。東京金も時間外で大幅に下落し、中心限月の12月物は一時1グラム5437円と8日に付けた過去最高値5574円から約2.5%下げた。原油の下落率の大きさが目立つ。

7日の清算値は原油が4万2920円、金が5453円。イランの報復が伝わる直前の清算値を3.9%下回る水準まで売られた原油に対し、金の下げは0.3%とほぼ同水準にとどまっている。

原油と金への売りに濃淡が出ているのはなぜか。三菱UFJリサーチ&コンサルティングの芥田知至氏は「イラン報復による影響度合いの差」を理由に挙げる。今回の報復攻撃は石油関連施設を対象としたものではなかった。昨年9月にサウジアラビアの石油関連施設が攻撃を受けた際の原油高が長続きしなかった記憶も新しく、今回の報復については「地政学リスクの観点からはインパクトが大きいが、原油の供給そのものへの影響は限られるとの見方が広がった」(芥田氏)とみられる。

世界的な景気減速で原油需要は伸び悩むとの見方は根強い。「石油輸出国機構(OPEC)などが協調減産を拡大しても、米国やブラジルなど枠組みの外にいる国の増産観測から供給過剰の懸念は拭えない」(フジトミの斎藤和彦氏)という。米エネルギー情報局(EIA)が8日に発表した週間統計で原油在庫が市場予想に反して増加したのも、9日の原油売りに拍車をかけた。

一方、金は「米イラン間の緊張以外にも買い材料は多く、根本的に需要面が弱くなったわけではない。原油よりも相場反発のタイミングは早そう」(フジトミの斎藤氏)との見立てが多い。昨年来の世界的な金融緩和が金利の付かない金への買いを誘っている面があり、最高値圏にある米国株の下落リスクに備えた金買いも入っている。

米国とイランの全面的な軍事衝突の可能性については、警戒感が完全に払拭されたわけではない。日本時間9日未明には、イラクの首都バグダッドで米大使館などがある地域にロケット弾が着弾したと伝わった。中東情勢の不安定さは当面続くとみられる。インパクトには違いがあっても、危機感が高まれば安全資産としての金買いと供給不安からの原油買いは再び活発になることも考えられる。

※日経QUICKニュース(NQN)が配信した注目記事を一部再編集しました。QUICKの情報端末ではすべてのNQN記事をリアルタイムでご覧いただけます。


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