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「eMAXIS Slim」旋風、ブロガーが選ぶベスト投信の上位を席巻

QUICK資産運用研究所=高瀬浩、小松めぐみ

投資信託を中心に据えた資産運用について、自身のブログで発信している個人投資家による「投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year 2019」(FOY2019)の投票結果が、18日に都内の会場で発表された。上位3本を三菱UFJ国際投信の主力インデックスファンドシリーズ、「eMAXIS Slim」が独占した。

■「eMAXIS Slim」シリーズが上位を席巻、ESG投資にも意欲

投信ブロガーやFP(ファイナンシャルプランナー)らがボランティアで運営しているFOYは今回が13回目。投票権を持つのは、2019年9月末までにブログを開設した個人投資家。1人あたり5ポイントを1~5本のファンドに自由に投票できるしくみだ。投票は同年11月に実施され、有効投票数は221。発表会場には、約140人の個人投資家が来場した。

ランキング1位は三菱UFJ国際投信の「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」(0331418A)。低いコストで、日本を含む世界の株式市場に1本で投資できる手軽さが支持を集めた。業界最低水準の運用コストをめざし続ける同シリーズの株式型ファンドは2位と3位にもランクイン。上位20本中には同シリーズのファンドが7本入り、20位までに入ったファンドが獲得した合計897ポイントのうち半数の450ポイントを手にした。コストに敏感な個人投資家の人気を集めると同時に、同社が開催するブロガーミーティングを通じてブロガーとの対話を充実させたのが実を結んだ。

運営委員のセロンさんも「三菱UFJ国際投信のトップ3独占は色々努力を重ねた結果のたまものだと思う。トップ3独占を来年も守れるのか、それとも他の運用会社が奮起するのかがとても楽しみ」と語る。

同社の幹部は「投資家の方に寄り添って、長い間持ち続けていただけるファンドにしていきたい」とコメント。さらに、昨今の異常気象による自然災害の多さに触れ、資産運用会社としても人類が直面している問題に対応していくことの重要性に言及。二酸化炭素の排出量削減などESG(環境・社会・企業統治)に配慮しながらも、運用コストを抑え代表的指数並みのパフォーマンスが期待できるファンドの投入に意欲を示した。

4位のニッセイアセットマネジメント「<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド」(2931113C)は、過去に3年連続1位を獲得したこともあり、厚い支持基盤を持つファンドだ。同社の幹部は同ファンドの信託報酬を2月に0.0930%(税抜き)に引き下げると公式発表に先立ち表明。SDGs(国連が提唱する「持続可能な開発目標」)の「誰一人取り残さない」という精神を引き合いに出し、「残高が増えたらその分利益を受益者に還元し、信託報酬を引き下げ続ける」と熱く語った。

■レバレッジ型で売れ筋の「グロ3」がトップ10入り、バンガードへの支持も厚い

上位20本の顔ぶれは前回とさほど変わらず、17本が積み立て型の少額投資非課税制度(つみたてNISA)の対象ファンドが占めた。低コストのインデックスファンドが上位に入る中、異彩を放ったのは日興アセットマネジメントが運用する7位の「グローバル3倍3分法ファンド(1年決算型)」(0231118A)だ。

同ファンドは、投資対象である国内株式と国内外の債券部分に先物取引を使っている。所有現金の数倍の取引が可能となる先物取引特有のレバレッジ機能を活用し、投資額を純資産総額の3倍相当にして運用する。レバレッジ型の中でも売れ筋となっているファンドだが、投信ブロガーからは複雑な仕組みながらも低コストである点が評価された。

今回は最多入賞賞とジャンプアップ賞の特別賞も発表。過去13回のFOYでトップ10に入った回数が多いファンドに贈られる最多入賞賞は、11回の入賞歴を持つ「セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド」(96311073)と「バンガード・トータル・ワールド・ストックETF(VT)」だった。

ジャンプアップ賞は前回の上位20本中、今回最も順位を上げたファンドで、アクティブ運用型の「農林中金<パートナーズ>長期厳選投資 おおぶね」(25311177)が選ばれた。中身の濃いファンドレポートが好評で、前回19位から12位へ順位を上げた。

個人向けインデックス運用の王者、米バンガード社への支持の厚さも見逃せない。上位10本中、4本がVTをはじめ、同社のファンドに投資するタイプとなった。

■年金制度の誤解されやすいポイントを解説

FOYのイベントは結果発表だけにとどまらず、今後の資産運用に活かせる情報収集ができるのも魅力の1つだ。3部構成の第1部では「かしこい投資家なら知っておきたい! 公的年金 3つのポイント」と題して、年金制度研究の第一人者、慶応義塾大学商学部の権丈善一教授が登壇した。

公的年金は「長生きリスクへの保険」であることを認識してほしいと呼びかけ、誤解されやすい公的年金の正しい実態について力を込めて解説。「公的年金は決して破綻しない。運用パフォーマンスの増減が注目されがちなGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の運用資金は年金財源の1割程度を占めるだけのバッファに過ぎない」などと説明した。

第2部の「みんなの【声】を聞いてみよう!個人投資家が注目ファンドに寄せる「熱いコメント」一挙紹介!!!」は、投票ファンドに寄せられたコメントを紹介する企画。投信ブロガーならではの独特の目線やこだわりの強いコメントが際立つ人気の企画で、3回目となる今回も会場を盛り上げ、選ばれた50人それぞれの「熱い想い」がスクリーンに映し出された。

■販社への感謝も 業界全体を動かす力に

結果発表の第3部では、上位5本に入ったファンドを壇上で表彰。投信ブロガーの江戸正蔵さん、つばささん、Masamiさん、安井宏さん、くは72さんの5人が結果を公表するプレゼンテーター役を務めた。

表彰後の運用会社の担当者による受賞挨拶では、販売会社に対する感謝の言葉の多さが目立った。低コストの実現には運用会社自身の努力だけでなく、販売会社の協力が必要になるからだ。販社にコストの引き下げを打診する際に、「ブロガーの熱い想い」など個人投資家の声を伝えているとした担当者もいた。

運営委員長を前任のrennyさんから引き継いだイーノ・ジュンイチさんは「今年も無事にイベントを終えることができてほっとしている。個人投資家が本当によいと思っている投資信託がランキングに並ぶのがこのイベントの特長。今年もそれが実現されていると思う。来年はどうなるかさらに楽しみだ」とコメントを寄せた。

「自分たちの手でよりよい投資環境を作っていこう!」と始まったFOYが金融業界全体を動かし、変える力となっている。

<FOY2019公式サイト>
投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year2019

<参考>
当日の様子は投信ブロガーや関係者がツイッター(ハッシュタグ:#foy2019、#ファンドオブザイヤー)で発信

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