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コロナ禍でのアートマーケットは?新たな試みも 【Art Market Review】

アート市場の動向は投資マネーの動きや熱気の度合いを表すバロメーターのひとつ。主に富裕層による購入が多い美術品の相場は、株式相場の動きと一定の連動性があり、海外ではアート投資はインフレヘッジの手段としても定着している。日本の美術品の市場規模は2400億円程度とされ、7兆円近くある世界全体の中では大きくない。ただ、本格的な高齢化社会に入り相続に伴って美術品が出やすくなるなどで、サラリーマンにも手が届く価格帯の作品が数多く取引されるようになってきた。国内で定期的にオークションを開催しているのは4社。知名度が高く、オークションのベンチマークとなっている作家の作品を通じてアート市場の今を読み解いていく。


新型コロナウイルス感染症の世界的感染拡大により、経済の各業界に影響が現れている。
経済全体が落ち込みを見せる中でも、コロナ特需というべき活況を呈している業界もあるが、アートマーケットにおいて、どのような現状になっているかレポートする。

■迅速な判断で開催を延期

4月7日に7都道府県に発令された、特別措置法に基づく「緊急事態宣言」により、多くのイベントなどへ自粛要請が出された。
その発表の前後、国内で開催を予定していたオークションは、延期となっている。
早々と延期となったオークションは、3月28日(土)に開催予定だったシンワオークションの「近代美術/近代美術パートⅡオークション」「戦後美術&コンテンポラリーアートオークション」である。「緊急事態宣言」発令前の、迅速な延期判断であった。シンワオークションでは、開催日前週の金曜日までに「緊急事態宣言」が解除されなかった場合、再度開催日の変更を行うという脚注とともに延期日程を5月16日(土)と案内している。
毎日オークションは、4月11日(土)「第637回絵画・版画・彫刻オークション」を5月9日(土)に延期する。4月25日(土)に開催予定だったSBIアートオークションの「第37回モダン&コンテンポラリーアートオークション」は、6月19日(金)と20日(土)の開催に向けて準備を進めている。マレットジャパン オークションは、次回のオークション日時が5月14日(木)のところ、開催予定を5月21日(木)にすると、先々の予定ながら早くも日程の延期を行っている。

これまで経験してきたいくつかの大不況時には、オークション会社ではセールの規模の縮小があったものの開催時期の延期はほとんど行われておらず、今回のコロナ禍での事態はマーケットにどのような影響を与えるものかは未知数である。セールの延期や中止という事態は、美術資産の流動性の喪失を意味するものではあるが、考え方によれば、株式市場におけるサーキットブレーキの役割をもたらしているとみることもできるかもしれない。

■オークションのライブ配信やWeb上でのプライベートセールも

そうした中、オークション会社によっては、YouTubeなどでオークションのライブ配信や、Web上でのプライベートセールを行っているが、今後は、今まで以上にリモートによるセール開催が検討されるかもしれない。オンライン、電話、ウェブサイトを通じた入札など多様なチャンネル利用の奨励が進むことになるであろう。

■海外のアート市場は

海外のセールに関しては、クリスティーズが3月中旬 NY アジア・アートウィーク ・5月中旬 NY 20世紀アートウィーク ・5月中旬ジュネーヴラグジュアリーセール ・5月下旬香港セールを延期としている。
サザビーズは4月上旬に予定されていた香港のオークションを5月に延期している。
アートフェアも次々と延期となっている。
3月に開催されたオランダのアートフェア「TEFAFマーストリヒト」では、出展者が新型コロナウイルスに感染した為に、会期中に閉幕するという事態も起こった。
アジア最大のアートフェア「アート・バーゼル香港」、同じく香港で開催の「アートセントラル」、アラビア半島最大のアートフェア「アート・ドバイ」等、3月中旬、下旬に開催予定だったアートフェアが延期を発表しており、その開催時期はいずれも未定である。
密集・密接・密閉「3密」環境から切り離すのが難しい場所となる多くの美術館も、政府の要請に従い、長期の臨時休館を余儀なくされている。美術館は、企画展を開催するまでに準備日数が必要となるため、「緊急事態宣言」解除後も、すぐに開館することが容易ではない。
そんな中でも、オンラインビューイング、バーチャル・ギャラリー、SNSの活用などでアートを多くの方に楽しんでもらおうと試みている美術館やアートフェアもある。普段、こうした施設を訪れる機会がないという方も、これを機に、アクセスしてみるのもいいだろう。
いずれにしても、アートマーケットは軒並み停滞しており、厳しい現状となっている。

先行き不透明で予測ができない状況の中、新しい価値観・環境下で、その存在意義や在り方を追考する時なのかもしれない。

(月1回配信します)

 

※アート・コンサルティング・ファーム提供  ⇒リポート全文はこちら

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