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砂糖相場、12年7カ月ぶり安値 原油急落との意外なつながり

日経QUICKニュース(NQN)=山田周吾

国際商品市場で砂糖相場の下落が止まらない。米インターコンチネンタル取引所(ICE)に上場する砂糖先物は28日に、一時12年7カ月ぶりの安値を付けた。原油相場が記録的な安値圏で推移を続ける裏で代替燃料のエタノール需要が減少。甘味好きが多い中東での需要が減っていることも相場急落に拍車をかけている。

■2月の直近高値から4割以上の下落

米ICEに上場する砂糖先物の期近5月物は28日、一時1ポンド9.05セントと2007年9月以来の安値を付けた。2月中旬に付けた直近高値の15.90セントからは4割以上の下落率となる。年初は主産国のインドで悪天候が続いたことを手掛かりに上昇基調になっていたが、新型コロナウイルスの感染拡大が本格化すると潮目が変わった。

■背景には原油相場の記録的な急落

砂糖下落の背景には原油相場の記録的な急落がある。新型コロナの影響で原油需要は大幅に減少。ニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)では、WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)で期近6月物は現在も1バレル20ドルを大幅に割り込んだ安値圏で推移する。原油価格の急落で石油製品のガソリンも連れ安となった。サトウキビはガソリンに比べ割安なエタノール燃料の原材料にもなる。フジトミの斎藤和彦氏は「ガソリン価格の下落により、質で劣るエタノール燃料の購買意欲が減っている」と語る。エタノールの生産に使うサトウキビが減れば砂糖の生産に使う量が増え、砂糖の供給増加の要因となる。

■外出制限で砂糖を使った食品の購入機会が減少

中東地域での甘味料としての需要減も見逃せない。イスラム教徒の多い地域ではアルコールの代わりに甘い食べ物を摂取する文化が根付いている。新型コロナでの外出制限は中東地域にも波及。フジトミの斎藤氏は砂糖を使った食品の購入機会が減少しているのも一因と指摘する。

今後も砂糖相場は軟調に推移するとの見方が多い。近年は砂糖を含む清涼飲料水の需要が健康上の理由から世界的に減少傾向にあり、エタノール燃料としての需要が砂糖価格を支えてきた側面がある。新型コロナの終息の見通しは依然としてつかず、原油価格が反転上昇する気配は今のところない。エタノール需要が回復しない限り、砂糖相場は厳しい状況を抜け出せそうもない。

 

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著者名

日経QUICKニュース(NQN) 山田 周吾


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