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鳥貴族、月次売上高「3.9%」の衝撃 外食銘柄に選別の嵐か

日経QUICKニュース(NQN)=秋山文人、宮尾克弥

外食関連銘柄の選別が強まる可能性が出てきている。外出自粛を背景にどれもこれも一斉に売り込まれていたが、住宅街に近いエリアで展開するチェーンは落ち込みが小さいなどの傾向が見えてきた。客層の異なる様々な業態を抱え、リスクを分散する銘柄も選ばれやすい。緊急事態宣言が解除された暁には、株価の戻りに差がつく可能性が高い。

■鳥貴族、月次売上高「3.9%」

心臓に悪い――。12日16時、鳥貴族(3193)が4月の月次売上高を発表した直後、ツイッターには個人投資家からこんな声が上がっていた。既存店売上高の欄に「3.9%」と記載がある。これは前年同月と比べた増減率かと思いきや、よく見ると前年同月比の数字だ。増減率ではなんと96.1%減となる。

※鳥貴族の月次売上高と株価

※鳥貴族の月次売上高(緑)と株価(青)

鳥貴族は4月4日から、新型コロナウイルスの感染拡大を防止するために直営全店の休業に入った。4月の売上高はこのわずか3日分ということになる。鳥貴族は低価格の居酒屋チェーンの代表格。サラリーマンや学生の需要に支えられていたが、ほぼすべて吹き飛んでいった格好だ。

■好調な外食銘柄も

外出自粛による休業・営業時間短縮で業績が悪化すると見方から、外食関連銘柄は区別なく売られてきた。ただ4月の月次売上高が相次いで公表されるなかで、選別色が強まる可能性がある。

先行指標は日本マクドナルドホールディングス(2702)だ。7日発表の4月の月次動向で、既存店売上高が前年同月比で6.5%増えた。もともと「巣ごもり」銘柄の一角として注目されていたが、改めて強さが意識され、12日には5470円まで上昇し、2019年12月以来の高値となった。新型コロナの影響で持ち帰り需要が増え、客単価が増えるという好循環が生まれた。

※マクドナルドの月次売上高と株価

※マクドナルドの月次売上高(緑)と株価(青)

トリドールホールディングス(3397)も特徴的だ。8日発表の4月の月次業況で、既存店売上高は45.3%減だった。もちろん落ち込みは激しいが、鳥貴族ほどではない。うどんチェーン「丸亀製麺」のみならず、とんかつ店や焼鳥店、喫茶店と、会社全体では様々な客層をターゲットにする。持ち帰りもできる。4月上旬まで株安が続いたがその後は持ち直し、5月11日にはコロナ禍前の2月下旬の水準まで戻した。市場は客足の動きに目を凝らしているようだ。

※トリドールHDの月次売上高と株価

※トリドールHDの月次売上高(緑)と株価(青)

■緊急事態宣言の行方

この先の業績をどう見るか。カギを握るのが、全国に発出されていた緊急事態宣言の行方だ。特定警戒都道府県ではない34県で解除の方向で政府が検討を始めている。すでに一部の県では飲食店の休業や時短営業の要請を解除している。都心部だけではなく幅広い地域に展開する外食銘柄が恩恵を受けてもおかしくない。

4月の荒波を乗り越え、「5月以降の売り上げ動向がどうなるか見極める必要がある」(auカブコム証券の河合達憲チーフストラテジスト)。限られた業態やエリア集中の「一本足打法」を得意としてきた企業よりも、「分散ポートフォリオ型」の外食銘柄が強さを発揮するかもしれない。マクドナルドのように、客足よりも客単価を重視する企業にも注目が集まるだろう。株価の戻りの局面では外食産業の「新たな経営様式」に投資家の視線が集まりそうだ。

 

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