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コロナ前に戻れないVIX、視野にあるのは米大統領選と感染第2波

8日、日経平均株価は2月21日以来となる2万3000円台乗せを達成した。各国で経済再開に向けた動きが加速する中、5日に米労働省が発表した5月の非農業部門の雇用者数は前月比250万人増となり、経済の底打ち基調が鮮明となった。一方、ほぼコロナショック前まで戻した株価とは対照的に米国株の予想変動率を示すVIXは9日終値で27.57と急落前の水準を大きく上回っている。株式市場では楽観的な機運が高まりつつあるが、下げ渋るVIXは今後の不確実性を反映している可能性が高い。

先行きの変動に備える動きが強まっている

3月16日、VIX指数は一時83台まで上昇し、リーマン・ショック時の2008年10月に付けた水準まで上昇した。その後は5日に24.52を付けるまで順調に低下し続けている。それでも、急落前の水準であった20以下を依然として上回っている。

下げ渋るVIXについて、上場デリバティブ大手マーケットメーカーのオプティバーでトレーディング部門の安岡日平氏は、VIXのタームストラクチャーに注目している。「通常、VIX指数として認識されているスポット価格に対し、6カ月後の先物価格(CBOE S&P 500 6-Month Volatility Index)は3月以降、恒常的に30を上回る状態が続いている。5日にスポットが24.52まで下落した際に両者のスプレッドは5まで拡大していた。今から6カ月後と言うと、11月の米大統領選が終わった後のタイミングだ。また、冬にかけて新型コロナウイルスの感染が再拡大か、先進国では未知の領域に突入するタイミングでもある。両方の影響が重なり、先行きの変動に備える動きが強まっているためと思われる」(安岡氏)と指摘した。

※VIX6M-VIXスプレッド

■米大統領選、株高は実現する?

米大統領選については、民主党候補のバイデン前副大統領の優位が伺える。米政治サイトのリアル・クリア・ポリティクスがまとめた世論調査の平均は、8日時点でバイデン氏が支持率49.6%と、トランプ氏の41.6%を上回る。「仮にバイデン大統領が誕生したら、公的医療保険の加入対象拡大や低所得者層を対象とした学生ローン債務の免除など、足元で拡大した米国内の格差是正に向けた取り組みを推進すると見られる。これまでの株高一辺倒の政策とは一線を画すのではないか」(外資系証券トレーダー)との懸念が聞かれる。

一方、「トランプ大統領とバイデン大統領候補の支持率が競れば競る程、有権者に向けたアピールも加速。また、アメリカでは白人の有権者数がマジョリティーだ。結果として株高が実現する可能性もある」(外資系エコノミスト)との声も聞かれた。コンセンサスが固まり切っていない様子が伺える。

■「FRBメンバーがタカ派に鞍替えするか」

日本時間11日未明、米連邦準備理事会(FRB)は米連邦公開市場委員会(FOMC)を開く。「強すぎた経済指標は、大規模に打ち出した財政政策、金融緩和の動きを止める可能性もある。これまでの株高の実現には大規模な緩和マネーが不可欠だった。今後、FRBメンバーがタカ派に鞍替えするかどうかにも注目が集まろう」(前出の外資系証券トレーダー)との見方も聞かれた。

VIX指数が下げ止まることで、予想変動率を基に資産配分を決める「リスクパリティ戦略」も積極的な株買いに動きにくい状況になることも想定される。6月に入っても、世界全体でみると新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかかっていない。世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は8日、7日に報告された新型コロナウイルスの新たな感染者数が世界で13万6000人超だったと発表。1日の感染者数としては過去最多だという。

日経平均株価は3月19日終値から9日終値までに39.5%高とスピード反発をみせたが、ここから先は不確実性の高まりも徐々に意識されよう。QUICK Market Eyes  大野弘貴)

<金融用語>

恐怖指数(VIX)とは

シカゴ・オプション取引所(CBOE)が、S&P500を対象とするオプション取引ボラティリティを元に算出、公表している指数で英語では「investor fear gauge」、別名Volatility Index(略称:VIX)と呼ばれているもの。 将来の投資家心理を示す数値として利用されており、一般的にVIXの数値が高いほど投資家相場の先行きに不透明感を持っているとされている。 通常は、10から20の間で推移することが多いが、相場の先行きに大きな不安が生じた時には、この数値が大きく上昇するという傾向がある。

著者名

QUICK Market Eyes 大野 弘貴


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