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ロビンフッダー3900万人、GAFAM怒とう買い 南海バブル再来か

米ナスダック総合株価指数が再び、1万の大台をうかがっている。3月の急落「コロナショック」を経て、米国の株式相場の主役は個人、それも株式取引アプリ「ロビンフッド」を利用する若者、いわゆる「ロビンフッダー」へと様変わりした。航空会社など窮地の企業を資本面で支える半面、経済のカジノ化が社会の持続可能性を危うくするリスクを高めている。

■GAFAM株ホルダー48%増

未知のウイルスの大流行に失業率の急上昇、さらに人種差別に対する大規模デモなど米国社会は未曽有の危機のさなかにあるが、株式市場は熱気に包まれており、まるでパラレルワールドだ。過去10年以上にわたり、急落した場面で米株を買った投資家は必ず報われた。こうした経験則がいまの米国の個人投資家を支えている。

ナスダックが年初来安値(6860)を付けたのは3月23日。この日、アップル、マイクロソフト、アマゾン・ドット・コム、アルファベット(グーグルの親会社)、フェイスブックのいわゆる「GAFAM」5社合計の時価総額は4兆1160億ドルだった。それが6月18日には5兆9890億ドルに46%増加した。一方、5社のロビンフッド経由の保有者数も延べ95万5000人から141万2000人に48%増加した。このうちアマゾンは11万人から25万人に約2.3倍になった。

3月23日から6月18日までの5社合計の時価総額の日次平均は5兆2440億ドルだ。これをロビンフッダーの平均買いコストと考えると、18日時点では14%程度の含み益が乗っている計算となる。いまから1割程度の下落であれば、痛手は小さいかもしれない。

給付金を手にしたスマホトレーダーが株式市場に流れ込むのは新たな投資のトレンドだ。ロビンフッダーの総数は延べ3900万人に達する。「給付金バブル」「テレワークに売りなし」「ヘリマネ(中銀マネーによる財政ファイナンス)は買い」。新たな標語まで誕生した。

■いつかくる転機

1990年代の日本の土地神話崩壊や18世紀初頭の英国の国策会社による南海泡沫(ほうまつ)事件など個人の過剰な投機は、ひとたび破綻するとデフレを深刻化させ経済を長く深い闇へと落とし込む。

ロビンフッダーにとっての転機は次の3つだろうか。まず7月に予定される失業保険給付金の積み増し終了。いわばガス欠だ。次に米中衝突など誰の目にもわかりやすいショック。最後は株価だ。一気に2割近くも下がるようなことが起きれば、総撤退に追い込まれるのではないか。

日本でも個人の存在感が増している。投資部門別売買動向によれば、個人の株式買い付け金額(グロスの買い)は6月第2週まで3週連続で3兆円を超え、累計では10兆円あまりに膨らんだ。相場の上昇局面としては異例だ。スマホサービスを手掛ける証券会社の口座開設が増えているとも聞く。こうした潮流は歓迎すべきことだが、個人のブームには苦い歴史もある。冷静に相場の質を判断する余裕が必要だ。(日経QUICKニュース(NQN)永井洋一)

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著者名

日経QUICKニュース(NQN) 編集委員 永井 洋一

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