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決算見てから配当権利が得られる「期末日≠基準日」銘柄って?

新型コロナウイルスの影響で株主総会の延期を余儀なくされ配当基準日を変えた会社がある。例えばオリンパス(7733)は前期(2019年3月期)末の配当基準日を3月31日から5月31日に変更した。配当を受け取る権利を得たと思って4月に株を売った投資家がいたかもしれないが、もし決算を見極めてから株を買って配当の権利を得られるなら悪い話ではない。

■コロナ禍と関係なく配当基準日をずらしたケース

オリンパスは前期の決算短信を5月29日に開示したので、前期末配当の権利付最終売買日を過ぎていた。一方、ユニプレス(5949)は前期末の配当基準日を6月11日に設定したうえで、6月8日に決算短信を開示した。配当の権利付最終売買日は6月9日だったので、わずか1日前とはいえ、決算内容を見ることができた。

配当基準日変更

もし3月決算の会社が通常のように4~5月中旬に前期決算を発表した後の5月末や6月に配当基準日を設定していれば、株を新たに買うことを検討中の投資家にとってありがたいはずだ。

ユニプレスの場合は新型コロナウイルスの影響で配当基準日を変更したが、それとは関係なく、決算期末日と配当基準日をずらしていた会社があるのはご存知だろうか。福岡証券取引所上場のジョイフル(9942)とジャスダック上場のトシン・グループ(2761)だ。

■ジョイフル、6月決算で配当基準日は8月31日

ジョイフルは6月決算(決算期末日は6月30日)だが、期末配当基準日は2カ月後の8月31日。トシン・グループは5月決算(決算期末日は5月20日)だが、期末配当基準日を1カ月後の6月20日に定めている。

ジョイフルの2018年2月13日の開示資料によると、株主の議案検討期間の拡大、情報開示の準備や監査期間の十分な確保などを目的に定時株主総会の議決権行使の基準日を定め、定時株主総会を招集すると説明。議決権基準日にあわせて配当基準日を設定している。

トシン・グループは2018年8月1日、株主との対話の機会を広げるために定時株主総会の議決権基準日を変え、定時株主総会は事業年度末日の翌日から4カ月以内(従来は3カ月以内)に招集すると開示。翌19年7月22日、議決権基準日にあわせて期末配当基準日を変更すると発表している。

いずれのケースも議決権行使の基準日を変え、株主総会の招集日をずらすことに主眼があるようだ。配当の観点から注目に値するのは、決算期末の2カ月後に配当基準日を定めたジョイフルのケースだ。前期決算発表後に前期の期末配当基準日が到来するからだ。

■気になる銘柄の基準日・定款変更の適時開示に注目

具体的に昨年の経緯を振り返ってみよう。ジョイフルは2019年8月13日に19年6月期決算を発表した。19年6月期の年間配当は15円で、このうち期末配当5円の基準日は19年8月31日だった。5円の権利は決算発表後、同年8月28日の権利付き最終売買日までに株を買えば得られた。

今般、新型コロナウイルスの影響でにわかに注目された「決算期末日≠配当基準日」のケース。基準日を過ぎてからのやむを得ない変更かどうかはさておき、終わった期の決算内容を見極めてから配当の権利を得られるとすれば、新たに株を買いたい投資家にとっては判断材料が増えることになる。気になる銘柄の基準日・定款変更に関する適時開示がないかどうかチェックしてみよう。(QUICKリサーチ本部 遠藤大義)

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QUICKリサーチ本部 遠藤 大義

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