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ファーウェイ排除で漁夫の利? NECに白羽の矢

米国と中国のあつれきで中国通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)への風当たりが強くなっている。漁夫の利を得るのは日本の企業では――。こうした思惑が市場で広がる。デジタル化の進展で評価が高まる情報通信系企業の新たな側面として注目を集めそうだ。

■「日英連合」

7月20日の東京株式市場ではNEC(6701)が一時、前週末比3%高、富士通(6702)が4%高まで買われた。終値はNECが130円(2%)高の5790円、富士通は530円(4%)高の1万3920円だった。上昇のきっかけは「英国政府が日本政府に対して次世代通信規格『5G』の通信網づくりで協力を求めたことが分かった」という19日付日本経済新聞朝刊の報道だ。英国はファーウェイを排除する代わりに、NECや富士通を調達先にすると示唆した。

necと富士通の株価
※NECと富士通の株価

5Gの基地局市場はファーウェイ、スウェーデンのエリクソン、フィンランドのノキアの世界3強が牙城を築く。市場では「日本勢はシェアを取りにいくというよりも、ファーウェイが抜けることによって供給面で間に合わなくなった部分を補う位置づけになりそう」(岡三証券の松本史雄チーフストラテジスト)と冷静な指摘が出ている。

ただ、今回の「日英連合」、NECにとっては大きな意味がありそうだ。記憶に新しいのが6月、NTTと5Gやさらにその先の「6G」など次世代通信インフラの共同開発で提携すると発表したことだ。激化の気配を見せる世界的な通信インフラ競争に本格参戦する上で、欧州進出はその一歩と受け止める向きもあったようだ。

■NEC、「株価にも割高感はない」

低収益に長くあえいできたNECだが最近は光明が差してきた。2020年3月期の連結純利益(国際会計基準)が1000億円と過去最高を更新。21年3月期も900億円と前期比減益ながら、各社が公表を控えるなかで見通しを示したことが市場参加者に心強く響いている。

コロナ禍を機に広がったテレワークなど人々の生活様式の変化が業績を後押しするとみられる。「日本はデジタル化で出遅れていたが、(社会全体が)人海戦術を取らざるを得なかった時代からの変革を求められるなか、NECなどは持続的に受注を取れそう」(藍沢証券の三井郁男・投資顧問部ファンドマネージャー)。

NECは工場再編など構造改革を進めてきた。選択と集中の成果が出始めているなかで、クラウドや人工知能(AI)などを含めたIT投資の追い風が吹いている。「利益率改善にも期待ができ、株価にも割高感はない」と藍沢証券の三井氏は見ていた。

■中国、日本企業の力を借りるか

一方で、中国はIT需要の増加を見込み、半導体の内製化を進めている。高性能な半導体の分野では日本企業の力を借りる必要が出てきそうで「日本の半導体関連企業にとってビジネスチャンスになる」(国内シンクタンク)という声が多い。

攻めの体質が強まり、世界的な通信行政・業界の変動にも積極的に関わっていける。日英連合での「ご指名」は、NECの変化を示す断面と言えるのかもしれない。

米中関係は改善の兆しはみられず、むしろ悪化を警戒する声が多い。あまり日本企業の存在感が強まり過ぎると、米国から良く思われない可能性もあるが、短期的には恩恵を受けられそうだ。米中対立の深まりは、日本企業や市場にネガティブな影響を与えるだけでなく、思わぬ収益機会を得る銘柄が生まれるきっかけにもなるのかもしれない。〔日経QUICKニュース(NQN)尾崎也弥〕

著者名

日経QUICKニュース(NQN) 尾崎 也弥

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