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バイデン氏勝利なら石油や医薬に逆風 米大統領選まで3カ月

11月3日の米大統領選まで約3カ月。世論調査では民主党のバイデン前副大統領が共和党のトランプ大統領を大きくリードする。バイデン氏は製造業の支援策でトランプ支持層への食い込みを図る一方、環境投資や公的医療保険の拡充など左寄りの政策も標榜する。もっとも、財源では不透明な面も残り、大企業や富裕層に的を絞った増税で賄うようなら株式市場にとっては逆風となる。

※大統領選までの主なイベント

■世論調査ではバイデン氏リード続く

米政治サイトのリアル・クリア・ポリティクスが7月28日にまとめた世論調査では、大統領選でバイデン氏に投票すると答えた人は50.5%とトランプ氏を9.0ポイント上回る。勝敗を左右する主要な接戦州でも、バイデン氏の支持率がトランプ氏を上回る状況が続く。

バイデン氏は7月、合計で3兆4750億ドル(365兆円)に達する経済政策を相次ぎ公表した。まず製造業の支援に4年間で7000億ドルを充てる。政府が米国製品を優先的に購入する「バイ・アメリカン」が柱だ。同じく製造業支援を掲げるトランプ氏を支持する白人労働者層を取り込む狙いのようだ。

■左派寄りの政策も相次ぎ発表

トランプ氏との違いを際立たせるため、左派色の強い政策も盛り込んだ。気候変動への対応として4年間で2兆ドルの環境投資を実施する。太陽光や風力などクリーンエネルギーへの設備投資を促し、発電による排ガスを2035年までになくす。さらに育児・介護に10年間で7750億ドルを支出するほか、低所得者や高齢者向けの公的医療保険の予算を増やす。

環境投資はインフラ関連の資本財や素材に加え、太陽光発電などの企業に追い風となる。電気自動車への優遇策を期待する声もある。一方、クリーンエネルギーに反する石油・ガス企業には逆風となりそうだ。公的医療保険の拡充や、それとセットになった薬価引き下げを進めれば、民間の医療保険や製薬会社には業績の重荷になる。

対するトランプ氏は製造業の国内回帰という白人労働者層を意識した政策を続ける一方、積極財政を推進して再選を狙う。1兆ドル規模の給与減税に加え、1兆ドル規模の道路や橋、次世代通信規格「5G」通信網などのインフラ投資も検討しているようだ。

※トランプ、バイデン両氏の主な政策

■大企業・富裕層増税なら株式市場には脅威

両氏とも空前の「大盤振る舞い」の政策で支持獲得につなげる構えだが、選挙戦が進むに従って財源問題にも関心が移るだろう。トランプ氏を上回る財政支出を打ち出したバイデン氏は、法人税を現行の21%から28%に引き上げる方針を公言。育児・介護支援策は「資産家の不動産取引に課税する」という。大企業や富裕層を狙い撃ちにしたような増税策を本当に導入するなら、株式相場にとっては脅威となる。

ゴールドマン・サックスのデービッド・コスティン氏は「一連の増税案がすべて実行されれば、2021年の主要500社の1株利益の合計は12%減少する」と試算する。

■対中制裁は緩和の期待も

米中対立が激化する中、両氏の外交政策も注目されそうだ。バイデン氏は中国に対し、トランプ氏と同じ強硬路線だ。知的財産権の侵害や不公正な貿易慣習などを指摘し、是正を求める方針だ。ただ、極度に悪化した米中関係の修復も狙い、トランプ氏の対中制裁関税については「一部撤廃される可能性がある」(JPモルガン・チェース)との見方もある。中国関連企業にとってはバイデン氏のほうが好都合といえる。

大統領選と同時に実施される議会選も重要だ。下院は民主党支配が揺るがないとみられ、焦点となるのは僅差で共和党が過半数を確保する上院だ。共和党が過半数を維持すれば、仮にバイデン氏が当選しても政策の多くは修正を迫られる。一方、上院で民主党が逆転勝利するようなら、左寄りの政策が強化される可能性もある。議会選を巡る動向も株式相場を揺さぶる場面が出てきそうだ。〔NQNニューヨーク  張間正義、戸部実華〕

202米大統領選

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