外為市場ではユーロが堅調に推移している。7月30日には対ドルでは1.18ドル台半ばまで上昇し、2年2カ月ぶりのユーロ高・ドル安水準を付けた(青線)。ユーロ高は米実質金利の低下など、「ドル安」要因が大きいと言われている。ただ、ユーロ圏の経済指標が回復していることも影響している。経済指標の結果と市場予想との乖離(かいり)を示すエコノミック・サプライズ指数は、マイナス圏での推移が続いていたが、20日にプラスに転じ、足元では2008年のリーマンショック以降で最高水準にある(黄面)。

(QUICK Market Eyes 池谷信久)
<金融用語>
エコノミック・サプライズ指数とは
米国の各種経済指標の発表値と事前の市場予想との乖離の度合いを指数化したもの。「びっくり指数」とも呼ばれ、米シティグループが算出している。エコノミストなどによる事前予想よりも各種指標の実績が上回れば指数はプラス方向に振れ、逆に下回れば指数はマイナス方向に振れる仕組み。ゼロ(予想と一致)からの振れ幅が大きいほど、市場に大きなサプライズを与えたことを示す。