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8月は「恐怖指数」上昇の特異月 経験則では月後半に要注意

8月最初の取引日だった3日は米市場で株高・債券安(金利は上昇)とドル高が進んだ。8月は米株の変動性指数(VIX)が大きく上昇しやすい「特異月」で知られる。「恐怖指数」の異名をとるVIXの上昇は株安・金利低下につながりやすいため、警戒は怠れない。

■「良好な状況」

米10年物国債利回りは3日、前週末比0.02%高い0.55%で終えた。長期金利の上昇は5営業日ぶり。米サプライマネジメント協会(ISM)が発表した7月の製造業景況感指数は54.2と3カ月連続で上昇した。「雇用」が引き続き50を下回ったが、「経済全般では需要回復が続く良好な状況」(JPモルガン・チェースのダニエル・シルバー氏)だ。

株式相場も上昇し、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は続伸して過去最高値を更新した。投資家心理を測る物差しであるVIXは24.28と前週末に比べ0.7%低下した。

※米10年物国債利回りとナスダック総合指数の推移
※米10年物国債利回りとナスダック総合指数の推移

■8月のVIX騰落率は首位

2005年以降の15年間の月別のVIXの騰落率をみると、8月は平均で11%上昇と首位だ。2位の2月(8%)を引き離す。19年の8月は18%とこの年の最大の上昇率を記録した。8月1日にトランプ米大統領が対中追加関税の発動を表明し、世界的に株式相場が崩れた時だ。

15年8月は2.3倍に急騰した。中国当局による人民元の切り下げ(人民元ショック)で世界の株式相場が動揺したときにあたる。米株式市場のさまざまな経験則を紹介するトレーダーズ・アルマナックによると、VIXが上昇しやすい8月は、過去32年間で米株式相場が最も下がりやすい月になる。

歴史的な出来事が起きるのも8月だ。古くは、後の湾岸戦争につながる1990年のイラクのクウェート侵攻。第2次世界大戦後の固定相場を維持したブレトン・ウッズ体制を解体させた1971年のドルと金の交換停止、いわゆる「ニクソン・ショック」などが挙げられる。

■引き金は政治の動きか

米商品先物取引委員会(CFTC)が7月31日に発表した28日時点のデータによると、投機筋による米10年債先物の持ち高は7万3192枚の買い越しだ。買い越し幅の大きさは17年11月以来だ。長期金利が過去最低水準でも、一段の金利低下に前のめりになっている。

一方、VIX先物は8万8911枚の売り越し。相場調整の目安とされる10万~15万枚の売り越しまでまだ余裕がある。投機筋は一様にリスクオフを想定しているわけではなさそうだ。

リスクオフの引き金は昨年と同様、政治の動きになるか。トランプ米大統領は中国の動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」の利用を禁止する方針を示す。11月の大統領選に向け、支持率回復を狙い対中強硬姿勢を一段と強めるとみられている。

トレーダーズ・アルマナックによると、8月の相場調整は月の後半によく起きるという。油断は禁物だ。(NQNニューヨーク  張間正義)

<金融用語>

VIX(恐怖指数)とは

シカゴ・オプション取引所(CBOE)が、S&P500を対象とするオプション取引ボラティリティを元に算出、公表している指数で英語では「investor fear gauge」、別名Volatility Index(略称:VIX)と呼ばれているもの。 将来の投資家心理を示す数値として利用されており、一般的にVIXの数値が高いほど投資家相場の先行きに不透明感を持っているとされている。 通常は、10から20の間で推移することが多いが、相場の先行きに大きな不安が生じた時には、この数値が大きく上昇するという傾向がある。

著者名

NQNニューヨーク 張間 正義

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