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スクエニHD株、レベルアップ続く 高いソフト比率が武器

「ドラゴンクエスト」に興じた方ならご存じの、あのレベルアップ音が鳴り響いているかの株価上昇だ。スクウェア・エニックス・ホールディングス(9684)株が8月7日、制限値幅の上限(ストップ高水準)となる前日比1000円(16.3%)高の7130円を付け、株式分割考慮後の上場来高値を更新した。終値は同12.4%高の6890円だった。巣ごもり需要で改めて評価されたのは、ゲームソフト比率の高さと同社のブランド力だ。

※スクウェア・エニックス・ホールディングス株価と日経平均の相対チャート
※スクウェア・エニックス・ホールディングス株価と日経平均の相対チャート

■ライセンス収入が伸びた

「ポジティブサプライズのひとことだ」――。大和証券の担当アナリスト、鈴木崇生氏は4~6月期決算について高く評価する。連結営業利益は前年同期比3.4倍の245億円。市場予想平均であるQUICKコンセンサスの102億円(7月30日時点、9社)を大きく上回る着地で、好感した買いが集中した。

4月発売の「ファイナルファンタジー(FF)7リメイク」が500万本を超す大ヒットとなり、モバイルゲーム「ドラゴンクエストウォーク」が好調を継続。コンテンツに関する二次的著作物のライセンス収入が伸びた。

■強いブランド力

ゲーム株のなかでもソフト比率の比較的高い銘柄の上昇が鮮明だ。新年度にあたる4月1日以降の上昇率をみるとスクエニHD、カプコン(9697)、コーテクHD(3635)が優位で、スポーツジムにも軸足を置くコナミHD(9766)、ゲームセンターを手掛けるバンナムHD(7832)は相対的に低い。東海東京調査センターの栗原英明シニアアナリストは「この新型コロナ禍でアセットビジネスは厳しく、身軽さが株価の差に出ている」と話す。

ゲーム関連株の水位

※ゲーム関連株の推移。4月1日を起点に100として指数化

加えて、スクエニHDの強さは「ドラゴンクエスト」「ファイナルファンタジー(FF)」というブランド力だ。1980~1990年代に同ゲームを経験した人々が社会人となった。市場では「国内では特にドラクエのブランド力は強い。社会人となって課金に抵抗感がない層が増えたことが『ドラクエウォーク』の追い風になっているのではないか」(国内証券の投資情報担当者)という。

■「割高感は残る」

株価がさらに上昇するためには、ヒット作の継続による業績拡大が重要だ。21年3月期の業績は未定としているが、QUICKコンセンサスによる今期の1株利益予想は247円。7日の高値7130円でみたPER(株価収益率)は28倍台だ。東海東京の栗原氏は「スクエニHDのPERは従来22~23倍台で、足元の割高感は強い。今回の決算を受けコンセンサスが切り上がるだろうが、おそらく割高感は残る」と話す。

スクエアエニックスの業績推移

※スクエニの業績推移(21年3月期はQUICKコンセンサス)

とはいえ、7月配信開始の「ドラゴンクエストタクト」は500万ダウンロードを超す「好調な出足」(大和の鈴木氏)で、9月には米マーベル・エンターテインメントの映画「アベンジャーズ」を題材にしたゲームの発売を控える。「アベンジャーズ」は世界の歴代映画興行収入でトップになるほど人気は高く、「収益貢献の期待は相当高い」(同)。こうした装備を手に、新型コロナ下で業績と株価のレベルアップは続きそうだ。〔日経QUICKニュース(NQN)宮尾克弥〕

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日経QUICKニュース(NQN) 宮尾 克弥

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