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トルコリラを個人が「投げ売り」 為替介入も限界、損失に耐えきれず

トルコの通貨リラが弱含んでいる。対円相場は8月7日に過去最安値の1リラ=14円台前半まで下げ、その後も14円台で推移している。外貨準備の減少で当局の為替介入による通貨下支え策が限界を迎えつつあるとの見方が強まっているためだ。かつて高金利通貨として外国為替証拠金(FX)取引を手掛ける個人投資家の人気を集めたが、足元では買い建玉は減少傾向となった。

※トルコリラの対円レート
※トルコリラの対円レート

■「損失に耐えきれなくなった」

外為どっとコム総合研究所によれば、安値を更新した7日は対円のリラの買い建玉が前日に比べ1.3%減少した。減少率としては約2カ月ぶりの大きさだ。10日も減少が続いた。買い建玉が膨らんだ2018年春先との比較では6割近く少ない水準だ。

リラの対円相場は5日から下げ基調が強くなった。5日の買い建玉は増えていたから、この時点では相場の流れに逆らう逆張りの買いが優勢だったことがわかる。ところが、その後も下落が止まらず、最安値を更新するに至る過程で「損失に耐えきれなくなった一部の個人投資家がリラを投げ売った」(外為どっとコム総合研究所の神田卓也氏)という。

■低金利による通貨安

リラは高金利通貨として、短期売買というより長期で金利収入を得る目的で保有する投資家が多かった。2018年に24%まで上昇した政策金利は、低金利による景気浮揚を狙うエルドアン大統領のもとで8.25%にまで引き下げられた。低金利による通貨安が進む中、個人は持ち高の平均コストを下げて損失をできるだけ減らす「ナンピン買い」で抗ってきたが、最近は「あまり買いが入らなくなってきている」(神田氏)ようだ。

トルコの7月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比で11.76%上昇した。上昇率はこのところ10%台で高止まりし、インフレを勘案した実質金利はマイナスの状態にある。このため「リラは先安観が強く、長期で持ちたがる投資家がほとんどいなくなっている」(外為オンラインの佐藤正和氏)という。人気が離散した相場は大きく動く可能性もあり、一段の安値への警戒は怠れない。〔日経QUICKニュース(NQN)川上純平〕

<金融用語>

ナンピンとは

当初買い付けた有価証券の価格が大きく下がったために、平均買付コストを下げるために、さらに買付けること。

著者名

日経QUICKニュース(NQN) 川上 純平

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