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バリュー株復権?それでもグロース株の優位は続く

記事公開日 2020/8/13 16:03 最終更新日 2020/8/13 16:03 日本株 バリュー グロース QUICK Market Eyes

今の株式市場で関心を集めるのがバリュー株とグロース株のパフォーマンスだ。コロナ禍で沈んだ後の戻りではグロース株が先行。ただ、足元ではバリュー株のキャッチアップが加速している。それでも市場関係者の多くはグロース優位が継続するとの見方が多い。

バリュー株とグロース株

※TOPIXのバリュー株とグロース株を昨年末を100として比較

■グロース優位が続く3つのシナリオ、コロナ化への耐性を示した企業をスクリーニングする方法=野村証

野村証券は12日付リポートで、2月以降に続くグロース株の強い展開に関して、(1)3カ月後に迫る米大統領選とワクチンの承認、(2)年末商戦の時期にあたる6カ月先の米実質金利の行方、(3)12カ月先にあたる21年度以降のセクター別業績格差という3つの異なる時間軸で、その持続性を検証した。

まず、ワクチン承認のタイミングと株式市場への影響としては、すでに複数のワクチンが治験の最終段階に入っており、ワクチンが実現すれば、ライフスタイルの一部がコロナ前に回帰することを市場が織り込み、これまでの世界的なバリュー・グロースの2極化相場が逆回転するシナリオがあり得る。ただし、そのタイミング最も早くて10月と見込まれるという。承認のプロセスに米大統領の意向がある程度反映されるとみられ、そうであれば大統領選間近にアナウンスすることが模索される可能性が高いとみている。大統領選ではバイデン候補が掲げる法人増税も意識されるものの、日本企業への影響が大きいのは、米国事業のウェイトが高い自動車などバリュー寄りのセクターであり、「米法人増税リスク=グロース株のリスクとならない」と指摘した。

次に実施金利の行方については、少なくとも、米大統領選という不確実なイベントをこなし、コロナ禍での年末商戦の帰趨を見極めるまで、名目金利の低位安定に「米連邦準備理事会(FRB)は辛抱強さを持ち続けるだろう」として、足元で続く期待インフレ率の上昇ないし横ばいを想定して、「米実質金利上昇方向よりもまだ下がると予想する方が、勝算がありそうだ」と指摘した。この観点からも日本株のグロース優位継続を支持している。

最後に業績の2極化が続くかという点において、バリュー業種は20年度の落ち込みが厳しい分、21年度のV字回復の度合いが大きいと見込まれるとする一方で、コンセンサス対比という点では、トップダウンによる21年度の営業利益予想値は、バリュー業種のアナリスト予想の下方修正のほうがより大きくなる可能性が示唆された。「今後の景気展開に依存するものの、少なくとも現時点で、グロース業種のアナリスト予想が、より楽観的過ぎるように見えない」との見解を示した。

コロナ化への耐性を示した企業をスクリーニングする方法として、「実績売上高や会社予想EPSがアナリスト予想を上回る銘柄」が有効とみており、スクリーニングした銘柄を挙げた。

<4-6月期の実績売上高、通期会社予想EPSがコンセンサスを上回った銘柄>

コード 銘柄名
1332 日 水
2607 不二製油
2815 アリアケ
3003 ヒューリック
3591 ワコールHD
5444 大和工
6594 日電産
6753 シャープ
6755 富通ゼネ
7309 シマノ
8035 東エレク
8111 Gウイン
8273 イズミ
8282 ケーズHD
9143 SGHD
9697 カプコン

■業績消化フェーズ入りで再びグロース・モメンタム優位に、銘柄選別の必要性=三菱UFJ証

三菱UFJモルガン・スタンレー証券は12日付リポートで、足元のバリュー・リバーサルの動きに関して、「金利の上昇幅でその規模が変化すると考えられるが、金利の上昇が止まればこのリバウンドの動きも止まるだろう」と指摘。今週で決算発表がほぼ終了し、次の展開として、「アナリストによる業績の下方修正が数多く出ることで再び業績堅調なグロース・モメンタム銘柄が選好されることになる」とみており、業績消化フェーズ入りするとした。

高株価モメンタム銘柄を、3カ月株価モメンタム及び6カ月株価モメンタムが共に上位10%の銘柄「継続的高株価モメンタム銘柄(短期も高株価モメンタム銘柄)」と、同期間に株価モメンタムが共に上位10%に無い銘柄「過熱感の無い高株価モメンタム銘柄(短期的に高株価モメンタムでない)」に分けて比較した結果、継続的高株価モメンタム銘柄は7月の金利低下と業績不透明な銘柄を避ける消去法的な選択物色相場において高値を更新できず、足下のバリュー・リバーサル基調に伴って大幅下落していることが分かった。

これらの銘柄の中では決算内容は良いものの一旦材料出尽くしとなり利益確定の動きが強まった銘柄と、決算期待で買われていたがその内容が不十分な銘柄の2種類が存在する可能性があるとして、「決算消化フェーズにおいて見直し買いが入る可能性が高い銘柄は前者の方であろう」と指摘した。

また、過熱感の無い高株価モメンタム銘柄は足下のリバウンド相場でも大幅なマイナスとなっておらず、「これらの銘柄の中から上昇余地がありそうな銘柄を探すという手もあるだろう」との見解を示した。

一方で、低株価モメンタム銘柄を3カ月株価モメンタム及び6カ月株価モメンタムが共に下位10%の銘柄「継続的低株価モメンタム銘柄(短期も低株価モメンタムである)」と、同期間に株価モメンタムが共に下位10%に無い銘柄「短期悪くない低株価モメンタム銘柄(短期は低株価モメンタムではない)」に分けてみると、継続的低株価モメンタム銘柄は7月に4月以降の安値近辺まで来てようやくリバウンドの動きとなった。これらの銘柄の中には、決算発表前まで業績の不透明さが大幅に嫌気された銘柄もあり、先行きの業績が示されたことによって見直されていく銘柄もあるとして、関係する銘柄を挙げた。以下に一部抜粋。

・継続的高株価モメンタム銘柄

コード 銘柄名
2127 M&A
2413 エムスリー
2875 東洋水産
3038 神戸物産
3064 MonotaRO
3092 ZOZO
3141 ウエルシアHD
3349 コスモス薬品

・過熱感の無い高株価モメンタム銘柄

コード 銘柄名
2897 日清食HD
3938 LINE
4062 イビデン
4151 協和キリン
4307 NRI
4528 小野薬
6273 SMC
6952 カシオ

・継続的低株価モメンタム銘柄

コード 銘柄名
2579 コカコーラBJH
3086 Jフロント
3099 ミツコシイセタン
4666 パーク24
4902 コニカミノルタ
6113 アマダ
7211 三菱自
7616 コロワイド

・短期悪くない低株価モメンタム銘柄

コード 銘柄名
2181 パーソルHD
2432 DeNA
4005 住友化
4118 カネカ
5406 神戸鋼
6302 住友重
6474 不二越
7012 川重

QUICK Market Eyes 川口究)

著者名

QUICK Market Eyes 川口 究


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