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武田が売却する大衆薬、知財価値は業界28位(IPリポート VOL.36)

証券アナリスト=三浦毅司(日本知財総合研究所)

武田薬品工業は8月24日、一般用医薬品を製造・販売する子会社、武田コンシューマーヘルスケアを2420億円で米投資ファンドに売却すると発表した。武田は売却で得る資金で有利子負債を圧縮し、収益性の高い医療用医薬品に経営資源を集中させる。

売却される武田コンシューマーの事業展開を予想すべく、知財価値を分析した。

医師の処方箋なしに販売される一般用医薬品の特許出願は、2005年ごろから減少傾向にあったが、2008年を底に増加に転じた。目薬や解熱鎮静剤などの機能が向上して価格も上昇、健康食品の市場拡大も後押しした。コロナウイルスの感染拡大前は訪日外国人による購入もあり、一般用医薬品の売り上げは緩やかに増加してきた。製薬各社は需要増加に応じて開発の取り組みを強化してきたようだ。

■一般用医薬品の特許出願件数推移



出所:PatentSQUAREのデータに基づき日本知財総合研究所作成

このうち外国人の回帰は見通せないが、それ以外の傾向は続きそうだ。大衆薬の市場は今後も小幅ながら増加していくとみている。

KKスコアで価値を評価

特許の価値を測る評価スコア、KKスコアを用いて一般用医薬品業界における武田コンシューマーのランキングを調べた結果、28位だった。特許の出願件数では11位となったが、有力な特許が少なく、特許重要度の順位が低かった。

■一般用医薬品企業のKKスコアランキング


出所: PatentSQUAREのデータを基に日本知財総合研究所作成

武田コンシューマーの設立は2016年。本体から部門が切り出される形で事業を開始した。このため特許出願件数が積みあがっていない側面もあるが、現時点で評価する限り、他社との開きは大きい。

ただ、同社はビタミン剤「アリナミン」や風邪薬「ベンザ」シリーズといった知名度の高い製品を持ち、マーケティング力も強い。今後は、長所である販売力を活かした事業展開を目指すとみている。(2020年8月25日)

(免責事項)本レポートは、レポート作成者が信頼できると判断した情報に基づき作成されていますが、レポート作成者及びその所属する組織等は、本レポートの記載内容が真実かつ正確であること、重要な事項の記載が欠けていないこと、将来予想が含まれる場合はそれが実現すること及び本レポートに記載された企業が発行する有価証券の価値を保証するものではありません。本レポートは、その使用目的を問わず、投資者の判断と責任において使用されるべきものであり、その使用結果について、レポート作成者及びその所属組織は何ら責任を負いません。また、本レポートはその作成時点における状況を前提としているものであって、その後の状況が変化することがあり、予告なく変更される場合があります。

日本知財総合研究所 (三浦毅司 takashi.miura@jipri.com 電話080-1335-9189)


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