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米住宅市場の活況は住友林業に追い風、業績の上振れ余地も

新型コロナウイルスの感染拡大で一時ロックダウンを余儀なくされた米国だが、足元で住宅関連指標の改善が顕著だ。7月の住宅着工件数はコロナ前の水準に戻り、7月の新築住宅販売は13年7カ月ぶりの高水準を記録した。米国で住宅事業を展開する住友林業(1911)に追い風となっており、1Q決算は大幅増収増益。通期予想を大幅に上方修正したが、依然として保守的とみられさらなる上振れ余地がありそうだ。

※住友林業株価と日経平均の相対チャート
※住友林業株価と日経平均の相対チャート。12月30日を起点に100として指数化

■米住宅市場の回復

米商務省が8月18日発表した7月の住宅着工件数は149万6000戸(季節調整済み、年率換算値)で、前月の改定値から22.6%増加。3カ月連続の増加となり、新型コロナ感染拡大前の2月(156万7000戸)の水準に迫った。先行指標である許可件数も18.8%増の149万5000戸と伸びており、しばらく好調が続く公算が大きそうだ。さらに、商務省が25日発表した7月の新築一戸建て住宅販売件数(季節調整済み、年率換算)は90万1000戸で前月の改定値から13.9%増。3月連続の増加で、新型コロナ感染拡大前の水準を大きく上回り、2006年12月以来(13年7カ月ぶり)の高水準を記録した。米住宅市場は、住宅ローンの低金利、春先からの繰り越し需要、都市部から郊外への移住需要などで回復が顕著となっている。

■住友林業、海外事業が稼ぎ頭

この米住宅市場の活況は、米国で住宅事業を展開する住友林業にも追い風になりそうだ。住宅大手の住友林業は50年以上の長きにわたって木材・建材の流通拠点を置いた米ワシントン州シアトルで2003年より分譲住宅の販売を開始し、世界最大の住宅市場である米国に進出。米国独自の住文化や風土、建築工法を大切にしながら現地の有力ビルダーの持分取得などを通じた長期的なパートナーシップを構築し住宅事業のノウハウを蓄積し、現在はテキサス州、ユタ州、東海岸のバージニア州、サウスカロライナ州など全米10州で住宅事業エリアを拡大した。18年には米集合住宅開発事業を展開するクレセント社、土地開発企業のマークスリープロパティーズを買収し、戸建分譲住宅だけでなく幅広い領域の事業を展開することで米国における収益基盤の安定化と多角化を進めている。

※セグメント別業績目標
※中期経営計画発表資料より

住友林業は国内の住宅・建築事業が主力だが、海外住宅・不動産事業は主力事業に匹敵する売上規模を誇り、利益水準では全体の4割を占める稼ぎ頭となっている。2019年度からの3カ年を対象とした中期経営計画では、最終年度となる21年度に海外住宅・不動産事業は全体利益の占める比率が5割超えになると見込む。米国では、戸建、タウンホーム、コンドミニアムなど幅広い顧客ニーズへ対応や資材の共同購買、情報共有による競争力の向上などにより、年間1万戸の販売体制構築を目指しており米住宅市場の好調は追い風になりそうだ。

※海外住宅・不動産事業セグメント
※中期経営計画発表資料より

同社が8月12日に発表した2020年4~6月期(1Q)決算は、売上高が前年同期比4.5%増の2455億円、営業利益は2倍の92億7500万円となった。海外住宅・不動産事業において、米国の住宅市況が堅調に推移していることを背景に販売棟数が伸びているほか、住宅・建築事業において期初想定よりも受注状況と工事の進捗が改善していることなどが寄与した。足元の業績好調を踏まえ、通期予想を上方修正。売上高は従来予想の7440億円から7770億円、営業利益は130億円から225億円に引き上げた。これはQUICKコンセンサス(6社平均)の売上高7541億円、営業利益173億円を大きく上回る水準となりポジティブサプライズとなった。ただ、上方修正後の会社予想は新型コロナ感染者拡大などの不透明感を織り込み、国内外での一定程度の受注・販売鈍化を織り込んでいる。そのため、コロナが収束に向かえばさらに増額修正を行う可能性もありそうだ。QUICK Market Eyes  本吉亮)

<金融用語>

QUICKコンセンサスとは

証券会社や調査会社のアナリストが予想した各企業の業績予想株価レーティングを金融情報ベンダーのQUICKが独自に集計したもの。企業業績に対する市場予想(コンセンサス)を示す。一方、「QUICKコンセンサス・マクロ」は、国内総生産や鉱工業生産指数など経済統計について、エコノミストの予想を取りまとめたものをいう。 QUICKコンセンサスを利用したものとして、QUICKコンセンサスと会社予想の業績を比較した「QUICK決算星取表」や「決算サプライズレシオ」、QUICKコンセンサスの変化をディフュージョン・インデックス(DI)という指数にした「QUICKコンセンサスDI」などがある。また、「QUICKコンセンサス・プラス」は、アナリストの予想対象外の銘柄に会社発表の業績予想などを採用して、国内上場企業の業績予想を100%カバーしたものをいう。

著者名

QUICK Market Eyes 本吉 亮


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