QUICKのプロ向けコメントサービス「QUICK Market Eyes」が9月28~10月2日に配信した、株主優待の制度変更などを受けた株価の反応の記事をまとめました。(Money Worldの株主優待ページはコチラ)
ひろぎんホールディングス― 一時ストップ高 優待新設・配当方針を発表、初値は15%高(更新日時:2020/10/02 10:16)
広島銀行を傘下に持つひろぎんホールディングス(7337)が基準値段(600円)を15%上回る690円で初値を付け、その後はストップ高(制限値幅の上限)まで買い進まれた。1日上場だが、同日はシステム障害の影響で売買は成立していなかった。基準値比で堅調な初値となったことで、個人の買いが入りやすかったようだ。1日に株主優待の新設や配当方針を発表し、これを手掛かりに買いが優勢となっている面もあるもよう。
優待は年1回3月末を基準日に100株以上を保有する株主を対象に、定期預金の優遇金利の上乗せや地元特産品のカタログギフトを保有株数に応じて贈呈する。
配当方針は年18円の安定配当をベースに業績連動を上乗せする。純利益が180億円以下の場合に上乗せ分はゼロとなり、上限は330億円超の場合、18円を最大上乗せする。同社の提示するモデルケースに従うと、配当性向の下限は31.2%に設定している。2021年3月期の連結業績予想や期末配当は精査の上、広島銀行の20年4~9月期決算と併せて発表する予定。
グッドコムアセット― 5%超の下落 株主優待の廃止を嫌気(更新日時:2020/09/30 09:25)
投資物件販売のグッドコムアセット(3475)が急反落。株主優待制度の廃止を嫌気した売りが出たようだ。
グッドコムアセットは29日、公平な利益還元という観点から慎重に検討を重ねた結果、配当金による直接的な利益還元を充実することがより適切であると判断し、株主優待制度を廃止すると発表した。これまでは、保有株数に応じた株主優待ポイントを提供していた。
同時に10月末時点の株主を対象に1対2の株式分割を実施と、期末一括配当を従来の61円から68円(前期実績は47円)に引き上げることも発表した。

コロワイド― 8%超の下落 優待権利落ちで利益確定売り(更新日時:2020/09/29 11:10)
外食大手のコロワイド(7616)が急反落。優待権利落ちで手じまい売り圧力が強まったようだ。
同社は3月末、9月末時点で500株以上を保有する株主に対して一律1万円相当の優待ポイントを年4回(上期2回、下期2回)を贈呈している。そのため、優待目的で同社株を保有する投資家は多い。
また、定食チェーンの大戸屋HD(2705)に対する敵対的TOB(株式公開買い付け)成立による業績拡大期待で9月中旬以降に株価が騰勢を強めた反動もあったとみられる。

グルメ杵屋― 急反落 退店計画に権利落ちで時間差の反応か(更新日時:2020/09/29 10:06)
グルメ杵屋(9850)が急反落。この日が権利落ち日。9月中間期末の配当は未定としているが、株主優待の権利が毎年3月末と9月末に割り当てられる。
前週末25日大引け後に、2021年度のレストラン事業でうどん・そば業態を中心として80店舗程度を退店する計画であると発表した。全店舗数の2割弱にあたる水準。新型コロナウイルス感染症の影響でレストラン事業を取り巻く環境で改善が見通せないなか、収益構造の再構築を図る一環として一部退店計画を決定したとしている。保有株式に応じて優待食事券の付与を受ける権利付き最終売買日を通過したことで、売りが出た面があるようだ。
