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Goal6「安全な水とトイレを世界中に」―SDGsの今を知る

SDGsの今を知る VOL.7 クラウドクレジット編集部

SDGsのゴール6に設定されているのは、「安全な水とトイレを世界中に」です。世界の人々の水の利用環境や衛生面の向上を目的としています。日本では、災害時などを除き、水やトイレ関連の深刻な問題に苦しんでいる人は少なく、世界が直面するゴール6が提起する課題を具体的にイメージすることは難しいのではないでしょうか?水は、先進国途上国問わずどこに住んでいても、生きていくため、あるいは豊かな生活を送るために必要な資源だといえます。逆に言えば、きれいな水・トイレのない環境で生活する場合、人は大きなストレスを感じるはずです。

※SDGsアイコン「6.安全な水とトイレを世界中に」

指標は以下の通りで、個人の生活レベルから上下水道の整備、国際的なサポートの枠組みまで網羅的な指標設定がされています。

※Goal6の指標
(外務省HPの情報を元にクラウドクレジット編集部が作成 参照

現状

それではまず、世界の水利用の現状についてみていきます。

以下のマップは、安全な水へのアクセスが住居から30分圏内に確保されている人々の人口に対する割合を国別で表しています。色が濃いほどその国で安全な水にアクセス可能な人が多いということになります。

※安全な水へのアクセスが住居から30分圏内に確保されている人々の人口に対する割合(2000年)
(2000年)

※安全な水へのアクセスが住居から30分圏内に確保されている人々の人口に対する割合(2015年)
(2015年)
(Our World in Data HPより引用 参照

2000年時点と比べ、確かに2015年時点では全体的に色が濃くなっているものの、アフリカ地域や南アジア、オセアニア地域では、数十パーセントもの人々が水へのアクセスに問題を抱えていたようです。飲料水、炊事、洗濯、トイレ等、生活のあらゆる場面で利用する水ですが、住居から30分以上かけて移動しないと手に入らないという状況は、非常に過酷な生活環境といえるのではないでしょうか?水のアクセス確保が困難になると、生活の中で利用可能な水の量に制限がかかり、健康や衛生面にも悪影響が生じます。さらには、水汲みの労働も相当な時間と労力がかかりますし、その労働の担い手は小さな子供であるというケースも珍しくありません。水の利用に制限があることで、家事や教育等にまで大きな制約が出てくるといえそうです。

※水汲みを担う子供たち
(筆者撮影)

次に、トイレの利用についてみていきます。

以下のマップでは、2017年時点の、衛生的なトイレへのアクセスがある人々の、人口に対する割合を表しています。色が濃いほど衛生的なトイレの利用が進んでいるということになります。

※衛生的なトイレへのアクセスがある人々の人口に対する割合(2017年)
(世界銀行HPより引用 参照

データの入手ができない白色の国々は、データの入手に何らかの政府機能の制限があるため、トイレの普及率でも高い数字は期待できないと言えそうです。データの入手が出来ている地域でも、その割合が50%未満の国々を多く確認でき、こちらもアフリカ地域や中南米、そして南アジア地域を中心に改善の余地があるといえます。

トイレ利用に関する問題も、日本に住んでいるとなかなか実感は湧かないかもしれませんが、世界では未だに多くの人々が衛生的なトイレへのアクセスがなく、公衆衛生問題や健康被害が発生してしまっているようです。トイレの数自体が少ない地域はもちろん、汚水でトイレが汚れてしまっているケース、あるいはトイレの外構造が脆く、倒壊や女性に対する暴力の発生などの危険性を孕んでいることもあります。

※アフリカ地域マラウイ共和国に住む農民のトイレ
(筆者撮影:アフリカ地域マラウイ共和国に住む農民のトイレ)

衛生的なトイレへのアクセスが困難な地域では、下痢やコレラ、A型肝炎、またはそれらを含んだ慢性的な栄養失調の症状が出るリスクが高まります。下水管や下水処理施設の整備、そしてトイレをきれいにするための水がなければ、各家庭や地域一帯の衛生状況は悪化していく一方です。上のマップで色の薄い地域は人口増加傾向にあるので、他の地域と比べて問題が深刻化しやすいといえるでしょう。

解決に向けて

水のアクセスを改善するには各国政府が上下水道の整備をする他、根本的な解決策はなさそうです。また、水道料金が不当に高く設定されていることや、水の供給が不安定になってしまうような供給能力の改善、上下水道が破損した際の対応力なども強化しなければならないでしょう。とはいえ現実的には、財源に限りのある途上国政府が、上下水道の整備や管理、トイレへのアクセスの急激な増加を短期間で成し遂げることは難しいです。

上下水道の整備が進まないような地域では、その地域に住んでいる人々が、水やトイレのアクセスが原因となって起こる健康被害や病気を認知し、衛生意識を高めることが重要です。水道の整備がされなくても健康被害や死亡のリスクを低下させることができる他、きれいな水へのアクセスが十分にある地域でも、手洗いやうがいなどの衛生意識、習慣が高まっていなければ、防げる病気も防げないといいいます。井戸の管理や修理など、そこに住む個人レベルの意識、能力が強化されることで、行政の対応の遅れによる水不足の被害をカバーすることも可能です。

※井戸の管理の様子
(筆者撮影:井戸の管理の様子)

日本を含めた世界各国のサポート体制を通じ、行政レベル、個人レベルの双方の支援が可能です。水道関連行政の指針や財源の補助はもちろん、水の利用量を抑えた農業や産業のノウハウの移転、簡易的に使える浄水器の普及など、民間企業や市民セクターの活躍できる領域が多くあります。

私たち個人も、生活の中でたくさんの水を使って生きていますが、その時にゴール6の内容を思い出すと、ふと蛇口を締める習慣がつきそうです。ゴール6について考えることは、私たちにとっても、当たり前にある水資源の大切さを実感するよい機会になるかもしれません。

 

(月1回配信します)

写真=Linh Pham/Getty Images


クラウドクレジット株式会社 :「日本の個人投資家と世界の信用市場をつなぐ」をコーポレートミッションとして掲げ、日本の個人投資家から集めた資金を海外の事業者に融資する貸付型クラウドファンディングを展開。新興国でのインフラ関連案件も多く、現地のマクロ・ミクロ経済動向などに詳しい。累計出資金額約319億円、運用残高約158億円、ユーザー登録数約4万8000人(2020年10月11日時点)

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