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脱炭素社会へ「菅関連株リスト」を再構成、長期政権への布石?

菅義偉

菅義偉首相は10月26日に召集された臨時国会で所信表明演説を行った。脱炭素社会への構造転換を重要政策の1つとして位置付けた。株式市場にとっては材料としての「国策=脱炭素」という構図が明確になった。今後の展開や注目銘柄に対するプロの見方をまとめた。

■菅首相のグリーンニューディール政策、長期政権で周到な準備か=SMBC日興

SMBC日興証券は27日付のリポートで「意外だったのが、温暖化ガスを2050年までにゼロにすることを表明したこと。菅氏が温暖化対策を語ったのは初めてではないか」と指摘した。リポートでは、再生可能エネルギーは発電コストが原子力や火力に比べ2倍程度高く、経済成長を制約するとみられるとしながら、「それよりも積極的なグリーンエネルギー投資が国内総生産(GDP)を押し上げていくと考えているようだ」と指摘。「グリーンエネルギー投資を地球環境のためというよりも、経済成長戦略、特に地方経済浮揚のための新たな公共投資と考えているのではないか」とも指摘した。

さらに「地方経済はもはや道路・橋のインフラは整っているため従来型の公共投資は必要ない。一方、グリーンエネルギー投資は土地が広い地方には適しており、地方創生の起爆剤となり得る」としつつ、「この日本版グリーンニューディール政策は、長期政権樹立のための周到な準備とも考えることもできる」とも指摘。意外感のある環境目標だったが、長期的な政策を見据えたものとポジティブにみていた。

■「菅関連株」を見直し=みずほ証券

みずほ証券は27日付のリポートで、26日の菅義偉首相による所信表明演説などを受けて「菅関連株」の見直しを行った。リポートでは「菅首相はいつから環境問題に熱心だったのか?」と疑問を呈しつつ、BS日テレの「深層NEWS」で、読売新聞の記者が菅首相が2003年の経産政務官時代から環境問題への意識が高かったと指摘したことを紹介。さらに「追加するならば、米国でバイデン候補の当選確率が高まっており、脱炭素化の潮流が高まるのを前取りしたことや、再生エネルギーの拡大は風力やバイオマス等を通じて地方創生につながるとの思いもあろう」などとみていた。

日電産(6594)が電気自動車(EV)モーターで世界シェア45%を目指す方針を示したことなどを踏まえた菅関連株のリストは下記の通り。

<追加>

コード 銘柄名 概要
4755 楽天 プラチナバンド
6504 富士電機 EV半導体
6594 日電産 EVモーター
7201 日産自 EV
9517 イーレックス 環境
9519 レノバ 環境

<変更なし>

コード 銘柄名 概要
4768 大塚商 中小企業のIT投資
8806 ダイビル 大阪
9603 エイチ・アイエス 旅行
3541 農総研 農業
3694 オプティム 農業
3939 カナミックN 地方DX
3962 チェンジ ふるさと納税
4488 AIinside 地方DX
6071 IBJ 結婚支援
6535 アイモバイル ふるさと納税
8031 三井物 輸出強化
8218 コメリ 農業
8343 秋田銀 秋田
8473 SBI 地銀再編
8818 京阪神ビ 大阪
8919 カチタス 中古住宅販売
9020 JR東日本 旅行
9232 パスコ 国土強靱
9726 KNTCT 旅行

<削除>

コード 銘柄名 概要
1801 大成建 国土強靱
2127 M&A 中小企業のM&A
2376 サイネックス ふるさと納税
2749 JPHD 保育サービスの拡充

■脱炭素社会実現に向けた議論など注目=三菱UFJ証

菅義偉首相は26日の所信表明演説で、日本政府が2050年までに温室効果ガス(GHG)の排出量を全体としてゼロにする目標とすることを発表した。三菱UFJモルガン・スタンレー証券は27日付リポートで、同演説で言及された政策については、(1)次世代型太陽電池やカーボンリサイクルなどの革新的なイノベー ションを促すために、研究開発やグリーン投資を促進、(2)省エネルギーを徹底、(3)再生可能エネルギーを最大限導入、(4)安全最優先で原子力政策を進める、(5)長年続けてきた石炭火力発電に対する政策を抜本的に転換と指摘。

政策に関するインプリケーションとして、「同演説の内容は、10月22日の日経観測記事とほぼ同じ内容であり、サプライズはない」と指摘した。今後の注目点は、日本政府の地球温暖化対策計画の改定を挙げた。GHG排出量を全体としてゼロにすることについての具体的な定義や目標達成のための政策(例:炭素税などのカーボンプライシング)についての議論に注目したいとした。また、日本政府の脱炭素社会の実現に向けた本気度、例えば、国民負担とのバランスのとり方にも注目している。

エネルギー政策の観点からは、次期エネルギー基本計画の策定作業に注目されるという。GHG排出量の削減強化の観点から、2050年目標だけでなく、2030年目標の政策が強化される可能性が高い(例:ゼロエミッション電源比率の2030年度目標の引き上げ)。所信表明演説で言及された原子力発電と石炭火力発電への新たな政策スタンスも注目したいとした。QUICK Market Eyes  片平正二、川口究)

<金融用語>

再生可能エネルギーとは

太陽光、風力、波力・潮力、流水・潮汐、地熱、太陽熱など、一般的にエネルギー源として永続的に利用できるものをいう。資源が枯渇しないことに加えて、発電時や熱利用時に地球温暖化の原因となる二酸化炭素をほとんど排出しない優れたエネルギーといわれている。対義語は枯渇性エネルギー。 投資信託の分野では近年、再生可能エネルギー投資対象とする環境関連ファンドなども設定されている。

著者名

QUICK Market Eyes 川口 究

著者名

QUICK Market Eyes 片平 正二

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