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シマノの株価が上場来高値、時価総額は日産自超え 自転車と釣りの両輪で快走

【日経QUICKニュース(NQN) 宮尾克弥】 シマノ(7309)株が28日、前日比3470円(17.1%)高の2万3770円まで上昇し上場来高値を更新した。27日発表した2020年1~9月期の連結決算と通期予想の上方修正がポジティブサプライズとなった。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、「密」を嫌う消費者が通勤用などに自転車を購入していることが追い風となっている。生活スタイルの変化が業績に現れており、自転車部品を製造する同社の業績の伸びは続きそうだ。

■吹き飛ぶ懸念

自転車需要の増加を背景に上昇が続いたシマノ株は8月4日に上場来高値(2万3670円)をつけて以降は調整していた。背景にあったのは主要な納入先である台湾の自転車大手の不調だ。美利達工業(メリダ)と巨大機械工業(ジャイアント)が、「月次動向などから業績に伸び悩みの傾向が見られ、欧米での自転車販売の先行きに警戒感が出て海外投資家が利益確定売りを出した」(大和証券の担当アナリスト、栄哲史氏)。これにシマノも揺さぶられた。

27日発表の1~9月期決算はこうした懸念を吹き飛ばした。マウンテンバイク、ロードバイク向けが好調で純利益は前年同期比10%増の472億円だった。好業績を背景に20年12月期の純利益予想を前期比24%増の643億円に引き上げた。従来予想からは60億円の上振れで、市場予想の平均であるQUICKコンセンサスの571億円(5社、22日時点)を上回った。

シマノの業績

※シマノの連結営業利益・純利益の推移

■欧州からの追い風

国内、海外での自転車人気は収まる気配は見えない。冬を前に新型コロナは欧米で再拡大の傾向を見せており、移動手段として自転車の利用が加速する可能性は高い。特に欧州では自転車の利用促進に向け補助金支給やバイクレーンなどのインフラ整備が進み、「自転車の販売台数が大きく伸びている」(シマノ経理部)。シマノ同様、調整が続いたメリダ株が10月中旬以降は反転していることはこうした状況を反映している。

もう1つのシマノの主要事業で売上高の2割を占める釣り具も堅調だ。春先は国内で新型コロナによる景気低迷から購入意欲が低下したことに加え、海外も感染拡大防止のため多くの国で外出規制が出て販売が落ち込んだ。だが、規制緩和後はがらり一転、アウトドアレジャーとして再評価されて販売を伸ばし、釣り具事業の1~9月期営業利益は前年同期比22%と自転車部品事業(5%)を上回る利益の伸びになっている。

シマノの業績進捗率

■日産自、スズキ、JR東を超える時価総額

こうした対応力を市場は評価する。28日時点の時価総額は約2.2兆円に達した。日産自動車(7201)、スズキ(7269)、JR東日本(9020)を上回る。国土交通省は新型コロナウイルスを想定した「新しい生活様式」で自転車の活用を推奨している。感染リスクの低い交通手段として人気は高く、時価総額の大きさは移動手段としての自転車に対する期待感の高さを映す。

SMBC日興証券の担当アナリスト、原田一裕氏は27日付リポートで今後の注意点として「直近で再拡大している欧州でのコロナの短期的な影響」を挙げているように、新型コロナの感染が止まらない場合は自転車販売自体が難しくなるため警戒は必要になる。

一方でコロナと別に長期的には世界的な環境規制から電気自動車(EV)だけでなく、電動自転車に対する関心が急速に高まっている。電動自転車の普及が進めば関連部品を生産するシマノに対する需要は一段と強まるため、こうした点も今後の株価の押し上げ材料になりそうだ。

著者名

日経QUICKニュース(NQN) 宮尾 克弥

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