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円が急落、1ドル=105円台に 「リスクオン」でも一転、円売り

【日経QUICKニュース(NQN) 末藤加恵】外国為替市場で円相場が急落した。新型コロナウイルスのワクチン開発期待が高まり、11月9日の米欧の株式相場は大幅高となった。経済の正常化を見込んで米長期金利が上昇すると円売り・ドル買いが膨らんだ。米大統領選で民主党のバイデン氏の勝利が濃厚になるにつれて日米の株価上昇が加速していた前日までは、外為市場では円高・ドル安が進んでいた。「リスクオン」は続いているが、一転して円は売られている。

■円の乱高下

このところ円相場の動きが目まぐるしい。6日の海外市場では1ドル=103円18銭近辺と8カ月ぶりの高値を付け、週明け9日の東京の取引時間帯も高値圏での動きが続いていた。ところが、同日の欧州での取引時間帯が始まるころからムードが変わり始め、その後、米製薬大手ファイザーがコロナワクチンの治験で有効性が高いとのデータが出たと発表すると一気に円売り・ドル買いに弾みが付いた。

9日の海外市場では105円64銭と3週間ぶりの安値を付けた。10日の東京市場でも円売りが優勢で、午後の時点では105円ちょうど近辺で取引され、日本時間9日17時時点と比べると1円50銭程度の円高・ドル安だ。

※円の対米ドルレート
※円の対米ドルレート

円相場が乱高下している間、株式相場は上昇の勢いを保ったままだった。9日の米ダウ工業株30種平均は前週末に比べ800ドルを超える上昇となった。9日に514円高となり29年ぶりの高値を付けた日経平均株価は、10日午後になって急速に伸び悩んだものの、午前は上げ幅が400円を超える場面があった。

※米ダウ工業株30種平均と日経平均株価の相対チャート
※米ダウ工業株30種平均と日経平均株価の相対チャート。12月30日を起点に100として指数化

■円売り・ドル買いが強まったのはなぜか

投資家が運用リスクを積極的に取る「リスクオン」の局面でドルに売りが増える傾向は、このところ強まっていた。リスクオンは続いたにもかかわらず、9日の海外市場から一転して円売り・ドル買いが強まったのはなぜか。

9日はワクチン開発期待の高まりを背景に「世界景気のいち早い回復を織り込み米長期金利が上昇した結果、円売り・ドル買いにつながった」(第一生命経済研究所の藤代宏一主任エコノミスト)という。

それまでの米大統領選の早期決着期待によるリスクオンでは、民主党のバイデン氏の勝利と米上院の共和党優勢という「ねじれ状態」が大幅な歳出拡大に一定の歯止めをかけるとの見立てにより、米長期金利は低下基調にあった。このため「ドル安圧力がかかりやすいとの見方が多かった」(第一生命経研の藤代氏)という。

米国の長期金利も水準としては依然として低いままで、円と同様にドルも「低金利による調達通貨」としての位置づけは変わらない。このため、リスクオンの場面ではドルも円も同時に売られやすい構図は続きそうだ。この構図の中で、米長期金利の短期的な動きが日米金利差を通じて円・ドルの売り買いの勢いを決めている。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券の植野大作チーフ為替ストラテジストは「ワクチンの実用化にはまだ時間がかかり、コロナ不況はしばらく続く可能性が高い。円の対ドル相場が動きづらい状況には変わりはなさそう」と話す。短期的に乱高下した円相場だが、植野氏は当面、1ドル=105円を中心としたレンジ内の動きが続くとみていた。

著者名

日経QUICKニュース(NQN) 末藤 加恵


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