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株式の親子上場解消は「指数買い」につながる

QUICK Market Eyes  川口究】NTTによるNTTドコモを完全子会社化するためのTOB(株式公開買い付け)が11月17日に成立した。伊藤忠商事によるファミリーマートのTOB成立に続き、大型の「親子上場」解消となる。NTTドコモの親子上場解消では約6600億円のTOPIX銘柄買いに繋がる見込みだ。今年度は解消のための完全子会社化が9月末時点で12件(予定を含む)に上る。規模によっては指数や他の構成銘柄に及ぼす影響も大きく、その動向が注目される。

■親子上場解消の影響

中間決算の発表を機に親子上場を解消するケースが多い。昨年は三菱ケミカルホールディングス(4188)が田辺三菱製薬を完全子会社化すると発表した。今年はハイテク素材のJSR(4185)がバイオベンチャーの医学生物学研究所(4557)を完全子会社化すると発表している。親子上場解消の発表後、子会社の株価は上昇する傾向がある。実際、昨年は上場子会社株がTOPIX をアウトパフォームする動きがみられた。以下はQUICKがまとめた「親子上場ガバナンスウオッチ」をもとに上場子会社をバスケット化したチャートだ。ここでも子が親を上回る傾向が鮮明だ。

※上場子会社・親会社バスケット
期間2018年12月28日を起点として、2020年11月16日まで

指数構成銘柄が親子上場を解消する場合、指数や他の銘柄に影響を及ぼす可能性がある。SMBC日興証券の10月14日付レポートによれば、TOPIXなどの場合、親子上場の解消である銘柄が指数から除外されると、パッシブファンドの運用資金は全て他の構成銘柄に再投資されるため、TOB金額の大きさによって大規模なインデックス買いにつながるという。

東証1部銘柄のうち、特定の上場企業に発行済み株式総数の15%以上を保有される銘柄は349銘柄あり、これらのTOPIX浮動株時価総額合計は 34 兆円に達する。これらの銘柄が、仮にすべて親会社に3割のプレミアム付きで買収されるとすれば、パッシブファンドによるTOPIX買いは実に7兆円近い金額となると試算された。「親子上場の解消は、パッシブ買いを通じて指数構成銘柄、特に流動性が低い構成銘柄に少なからぬ需給インパクトを発生させる可能性がある」と指摘した。

りそなホールディングス(8308)は10日、連結子会社の関西みらいフィナンシャルグループ(7321)を完全子会社にすると発表した。約51%の株式を持つりそなHDが1株あたりの買い取り価格は9日終値に23%を上乗せした500円。17日終値は548円で、約35%上昇した。約24%の株式を持つ三井住友フィナンシャルグループ(8316)は全株式を手放す方針だ。

■地銀再編を支援

国内金融機関についてもう一つ話題になっているのが地銀再編の進展だ。政府と日銀が連携して地銀の再編を支援することになった。日銀は10日、経営統合や経費削減に取り組むことを条件に、日銀に預ける当座預金に年0.1%の上乗せ金利を付ける新制度を発表した。日本経済新聞は地銀や信金が合併・経営統合に踏み切った場合、国がシステム統合などの費用の一部を負担する補助金制度を新設すると報じた。

みずほ証券はレポートで、「報道されている通り最大30億円程度の補助金となれば、『規模の大きな』地銀が再編を行うインセンティブは乏しい。しかし、強まる政府や日銀からの地銀再編プレッシャーが、将来的には再編が必要と考えている地銀マネジメントの早期決断を後押しする可能性もある」との見方を示した。「親子上場解消」と「地銀再編」の投資テーマは今後も注目を集めそうだ。

※地銀再編

<金融用語>

公開買付けとは

公開買付けとは、株券等の発行会社または第三者が、不特定かつ多数の人に対して、公告等により買付期間・買付数量・買付価格等を提示し、株券等の買付けの申込み又は売付けの申込みの勧誘をおこない、市場外で株券等の買付けをおこなうことをいう。なお、公開買付けの対象となる会社の取締役会の賛同を得ないで、買付者が公開買付けをおこなう場合を敵対的公開買付け敵対的TOB)という。

著者名

QUICK Market Eyes 川口 究


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