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FRBは「良い金利上昇」容認か 米長期金利は節目の1%目前

【NQNニューヨーク  張間正義】米長期金利が節目の1%に迫っている。新型コロナウイルスの感染再拡大で景気の先行きに不透明感は強まるが、ワクチン普及や経済対策への期待が長期金利の上昇(債券価格の下落)圧力となっている。米連邦準備理事会(FRB)がコロナ禍からの景気回復を映した「良い金利上昇」だとして許容する姿勢をみせれば、短期的に1%を上回る場面もありそうだ。

■量的緩和をどの程度続けるか

12月7日のニューヨーク債券市場で、長期金利の指標である米10年物国債利回りは前週末比0.04%低い0.92%で終えた。新型コロナの感染再拡大で経済活動の制限が強化されるとの懸念から、この日は米国債への買いが優勢となった。だが、前週末4日には11月の米雇用統計で労働市場の改善ペースが鈍ったのを材料に与野党による景気刺激策の早期合意への思惑が広がり、長期金利は一時0.98%と約8カ月半ぶりの高水準を付けるなど高止まりしている。

※米国債10年

3月20日以来の1%台がみえてきたことで、市場の関心は15~16日に開催される年内最後の米連邦公開市場委員会(FOMC)に集まっている。米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは4日、FOMCでは量的金融緩和をどの程度続けるかに関してガイダンスが明示される可能性があると報じた。

関係者の話として報じた記事によると、FRBは足元の金利上昇がワクチン普及や政府の追加経済対策による景気見通しの改善を映した「良い金利上昇」とみており、即座に対応する必要性を感じていないという。

実際、4日にはシカゴ連銀のエバンズ総裁も足元の資産買い入れ策について「快適だ」とし、国債購入を巡っても「今のところ変更の必要性はない」と述べた。政策当局者らは既にFOMC前に関係者が対外発信を控える「ブラックアウト期間」に入っており「今月に追加の金融緩和を決めるならば、地ならしが足りない」(エバコアISIのスタン・シプレー氏)。

■1%台の持続性には疑問

FRBが金利上昇を容認すれば、投機筋の動きが長期金利の1%超えにつながる公算は大きい。米商品先物取引委員会(CFTC)のデータによると、投機筋(非商業部門)による米10年物国債先物の持ち高は1日時点で2万5748枚の買い越しだった。長期金利の上昇を受け、買い持ち高を減らしたことで買越幅は前の週(11枚4975枚)から大きく縮小している。1%超えとなれば「一段とロスカット(損失覚悟)の投げ売りが出て、売り越しに転じる可能性もある」(米国債トレーダー)という。

※米国債10年先物(CFTC)

もっとも、金利の上昇ペースが早まり、経済回復に水を差すと判断すれば、FRBは即日オペの拡充で抑え込む可能性は高い。市場では1%以下の水準に慣れてきている株式投資家が節目超えを嫌気して売りに動くとの指摘もある。長期金利の1%台定着は「コロナ感染のピークアウトがみえてきたとき」(金融調査会社BCAリサーチ)との声も多く、長期金利が1%台に乗せても持続性には疑問が残るだろう。

<金融用語>

FOMCとは

FOMCとは、Federal Open Market Committeeの略称で和訳は米国連邦公開市場委員会。米国の金融政策の一つである公開市場操作国債買いオペなどを通じて金融機関の資金需給を調節すること)の方針を決定する委員会のこと。FRSの構成機関である。 FOMCは、米国の中央銀行ともいうべき米連邦準備理事会(FRB)が開く会合で、FRBの理事や地区ごとの連邦準備銀行総裁で構成されており、米国の金融政策やフェデラルファンド(FF)レートの誘導目標を決定する最高意思決定機関である。約6週間ごとに年8回、定期的に開催される他、必要に応じて随時開催される。 声明文は、FOMC開催最終日(米東部標準時間午後2時15分頃)に公表、議事要旨は政策決定日(FOMC開催最終日)の3週間後に公表され、米国の金融政策を占ううえで市場関係者の関心が高い。

著者名

NQNニューヨーク 張間 正義


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