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注目高まる「S」のテーマ、投資家の課題は? ESG投資実態調査2020

ESG投資実態調査2020

 

ESG(環境・社会・企業統治)投資家の間で「S(社会)」に関するテーマへの注目度が高まっている。新型コロナウイルスの世界的な感染拡大を受けて、「E(環境)」のみならず、働き方や報酬、サプライチェーン(供給網)上の労働環境や人権リスクといったS課題を評価・分析する必要性が高まっているためだ。今後もESG投資が拡大する見通しのなか、国内機関投資家は体制の充実・拡充を図る動きを進めている。

■国内機関投資家、S課題のテーマに関心

QUICK ESG研究所が日本国内に拠点を置く機関投資家を対象に実施した「ESG投資実態調査2020」によると、2020年度に重視するエンゲージメント(投資先企業との対話)テーマとして、トップ3に「気候変動」「労働慣行(健康と安全)」「人権」が入った。気候変動を重視すると答えた投資家は全体で94%に達し、次に労働慣行(62%)、人権(44%)で続いた。気候変動は「1番目に重視する」との回答も84%と断トツの多さだったが、労働慣行と人権は「2番目に重視」で1、2位となった。

エンゲージメント

■コロナ禍で投資家が企業に求める行動は?

Sのテーマに関心が集まった背景は、コロナ禍をきっかけに企業に迅速な対応を求める様々な課題が浮き彫りになったことが大きい。コロナ感染症対応のため各企業がテレワーク(在宅勤務)への移行を一気に進めたことはその一例だ。それは裏を返せば、投資家にとって企業価値を評価・分析する上で見逃せない要因が増えたことを意味する。

今回の調査では、コロナ禍における企業の行動について何が重要と思うかを投資家に聞いているが、回答の上位を占めたのは「持続可能性を高めるためのビジネスモデルの再構築」「(社会の)環境変化への対応力」「健康管理を含む働き方改革の推進」だった。投資家が企業のレジリエンス(耐性)の向上や人的資本の配置・活用といった点を注視しようとする姿勢が垣間見えた調査結果といえる。

コロナ禍における重要な企業行動

■ESG投資2ケタ増見込み、その課題は?

投資家はESG投資を推進する組織・体制づくりを進めている。責任投資やESGリサーチ、エンゲージメントなどの専門部門・部署の有無を聞いたところ、過半数(53%)が「ある」と回答。「専門部門・部署はないが、各運用部門に専門人材を配置」は15%で、「専門部門・部署はなく、各運用部門に専門人材もいない」は26%にとどまった。昨年実施した調査では「専門部門・部署がない」は6割弱に達しており、ESG投資に関する専門人材を配置する傾向は昨年と比べて強まっていることを示した。

調査結果によると、日本株を対象とした自社のESG投資が今後1年で増えると見込む投資家は6割を占め、全体の単純平均では約14%の増加予想となった。ESG投資が増える要因として最も多かった回答は「リスク・リターンの改善期待」だ。環境問題に加え、コロナ禍で一気に注目度が増したS課題に対する企業の対応力と同時に、それを見極める投資家の分析力やエンゲージメント力も問われることになる。(QUICKリサーチ本部 荒木朋)

■ESG投資実態調査2020(要約版)をご覧になるにはこちら!

著者名

QUICKリサーチ本部 荒木 朋


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