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ソフトバンクも2980円 携帯値下げ合戦、ダークホースは楽天

【日経QUICKニュース(NQN) 寺沢維洋】携帯電話の料金競争が激しさを増している。ソフトバンク(9434)は12月22日、新プランを発表した。NTTドコモ(9437)が仕掛けた低価格プランに各社が挑む格好となっている。次の一手があるというKDDI(9433)、そして第4のキャリアである楽天(4755)はどう対抗するのか。

■LINEサービスが使い放題

22日の東京株式市場では、新型コロナウイルスの変異種への警戒から日経平均株価が軟調に推移する一方で、ソフトバンク株は僅かに上昇する場面もあり、一時、前日比8円50銭(0.6%)高の1329円をつけた。

※ソフトバンク株価と日経平均株価の相対チャート
※ソフトバンク株価と日経平均株価の相対チャート。(2019年末を100として指数化)

「LINEのブランド力は大きく、サービスが使い放題なのが強みだ」。ソフトバンクの榛葉淳副社長は22日の発表会で新プランの特長をこう伝えた。

2021年3月にデータ容量が20ギガ(ギガは10億)バイトで月額2980円(税抜き)の新プランの提供を始める。NTTドコモが3日発表した「ahamo(アハモ)」と同様の条件を打ち出し、値下げ競争に臨む。

傘下のLINEモバイル(東京・新宿)を吸収合併して、ソフトバンクが新サービスを始める。ソフトバンクの通信回線を使い4Gと次世代通信規格「5G」の両方に適用する。ウェブサイトのほか、メッセージアプリのLINE(3938)でも手続きができるという。LINEが持つ毎月8600万人の利用者を獲得する狙いだ。ソフトバンクは現在、LINEモバイルの株式の6割を保有しており、21年3月にLINEとZホールディングス(4689)が経営統合するのに合わせて事業再編する。

市場ではソフトバンクが「アハモ」と同水準のプランを打ち出すことは想定内との受け止めが多い。SBI証券の森行真司シニアアナリストは「LINEの高い知名度には一定のアドバンテージがあるものの、オンラインの手続きに特化して販売コストを削減し、料金引き下げの原資とする構造はアハモと変わらない」と指摘する。

■他社の価格戦略は?

料金競争は過熱している。9日に発表したプランに利用者らの批判が相次いだKDDI(9433)はすでに次の一手を用意しているといい、大容量プランの値下げ方針を来年1月に公表する予定だ。NTTドコモもさらに価格戦略を見直す可能性があるとささやかれる。

※ソフトバンク、NTTドコモ、KDDI、楽天の株価と日経平均株価の相対チャート
※ソフトバンク、NTTドコモ、KDDI、楽天の株価と日経平均株価の相対チャート。(2019年末を100として指数化)

では新規参入の楽天はどう構えるのか。楽天株は22日に一時、前日比32円(3%)安の1003円まで下落した。NTTドコモやソフトバンクが相次いで低価格のプランを打ち出し、既存顧客の囲い込みを進める姿勢を強めたことで「キャリア間の乗り換えが停滞する」(国内証券のアナリスト)との懸念が高まり、売りが膨らんでいる。

楽天は携帯事業で「月額2980円でデータ使い放題」という安さとワンプランの分かりやすさを打ち出している。これが先行組の格好の標的となった。NTTドコモやソフトバンクの新プランの価格設定はシェア拡大を目指す楽天を狙い撃ちしたものとの見方も出ている。楽天株は今月に入り21日までに11.5%下落していたことからも、競争力低下への懸念がうかがわれる。

ただ、楽天の価格競争力に見切りをつけるのは時期尚早かもしれない。従来型の携帯(ガラケー)利用者などデータ容量を求めない層を狙い「さらに価格を引き下げた低容量プランを追加するのではないか」(国内証券)との見方が出ているためだ。いつのまにか料金合戦の台風の目が楽天になっているかもしれない。

加藤勝信官房長官は22日の記者会見でソフトバンクの新料金プランを受け、各キャリアが切磋琢磨(せっさたくま)し、利用者にとって納得感のある料金・サービスの実現を「引き続き期待していきたい」と述べた。価格競争をもっとやってほしいというメッセージだろう。

著者名

日経QUICKニュース(NQN) 寺沢 維洋


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