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トランプ劇場の終焉とFOXの凋落 LA発ニュースを読む

米経済チャンネルのCNBCを横にらみで原稿を書く習慣があるが、1月6日はそういうわけにいかなかった。米首都ワシントンの映像にくぎ付けになった。NBCをはじめ主要ネットワークが特別番組を編成、米政治史上に残る事件を中継した。

1月6日午後、トランプ支持者がワシントンの議事堂を襲撃。5人が死亡した。米大統領選の結果を覆すため「議事堂に行け」とトランプ大統領が扇動している。トランプ氏の発言はソーシャル・メディア(SNS)で拡散した。


相次ぐアカウント凍結

ツイッターは8日、「暴力行為を扇動する恐れがある」としてトランプ氏の個人アカウントを永久凍結したと発表した。アップル、グーグル、アマゾンはトランプ支持者が愛用したSNSプラットフォーム「パーラー」を削除した。フェイスブックとインスタグラム、さらにゲーム・プラットフォームのツイッチもトランプ氏のアカウントを無制限に凍結。ショピファイはトランプ関連商品を扱うショップを削除し、オンライン掲示板「レディット」はトランプ支持フォーラムを閉鎖した。

インターネットのプラットフォームから締め出されたトランプ氏が頼るのはFOXニュースだ。メディア王ルパート・マードック氏が率いるニューズ・コープ傘下のFOXニュースは2016年からトランプ氏寄りの報道を続けてきた。ハリウッドの3大女優が共演した2019年公開の映画「スキャンダル」では、視聴率欲しさにトランプ氏報道を強化した経緯が描かれている。アンカーの多くは「選挙に不正があった」とするトランプ氏の根拠なき主張を支持し、議事堂に乱入したのは「トランプ支持者だけではなかった」とする偽情報を鵜呑みにして伝えた。後になって修正したが。

ニューヨーク・タイムズ紙によると、2020年に視聴率が全チャンネルで3番目に高かったFOXニュースは、苦戦していたCNNに視聴率で抜かれた。ナスダック市場ではFOX株が急落した。それらが影響したかは不明だが、グループ会社のウォール・ストリート・ジャーナル紙は社説でトランプ氏の辞任を求め、ニューズ・コープ傘下のニューヨーク・ポスト紙はトランプ氏に嘘の主張を止めるよう要求した。支持者だったマードック氏がトランプ氏から離れたと全米で話題になった。

SNSを立ち上げか

米金融大手モルガン・スタンレーの元ストラテジストで投資会社ブラックストーンの副会長バイロン・ウィーン氏は恒例のびっくり10大予想を4日に発表した。1番目の予想は「トランプ氏が自前のテレビ・ネットワークを設立し、2024年の選挙運動を開始する。番組ゲストにプーチン大統領を招きテレビ史上歴代1位の視聴率を獲得」だった。ワシントン・ポスト紙は、トランプ氏が新SNSの立ち上げを検討していると報じた。

FOXニュースが支え、ツイッターとそのクローンともいえるパーラーが育てたトランプ劇場。終焉したとの見方もあるが、トランプ氏自身は「米国を再び偉大にする闘いはまだ始まったばかり」と述べている。トランプ氏への高い注目は退任後も続きそうだ。

 

(このコラムは原則、毎週1回配信します)

Market Editors 松島 新(まつしま あらた)福井県出身、慶應義塾大学卒。1985年テレビ東京入社、報道局経済部を経てブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長を歴任。ソニーを経て2011年からマーケット・エディターズの編集長として米国ロサンゼルスを拠点に情報を発信

著者名

Market Editors 松島 新

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