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「脱炭素」×「水素利用拡大」 鍵となる燃料電池 

QUICK Market Eyes  阿部哲太郎】菅政権による「脱炭素宣言」や世界的な脱炭素への流れの中、水素の活用への期待が高まっている。2017年に「再生可能エネルギー・水素等関係閣僚会議」により策定された水素基本戦略では、「海外未利用エネルギー/再生可能エネルギーの活用による低コストな水素利用の実現」「国際的な水素サプライチェーンの開発」「国内再生可能エネルギーの導入拡大と地方創生」などが盛り込まれている。

■日本のエネルギー需要にマッチ

水素の特性として他のエネルギーに比べてエネルギー効率が高いこと、再生可能エネルギーを含め多種多様なエネルギー源からの国内外を問わずあらゆる場所からの供給が可能であることから海外の石油に依存した日本のエネルギー構造の多様化にマッチしている点がポイントとなる。

中でも水素の効率の良い利用法として燃料電池が挙げられる。燃料電池は、水素と酸素による化学反応を直接電気エネルギーに変えるため、タービンなどで動力を経由する石炭火力などに比べて発電効率が良い。また、大型の火力や原子力発電所のような集中型ではなく、小規模分散型電源として利用できるため、停電時のバックアップとしても有効となる。

日本国内では、海外に比べて家庭用燃料電池の「エネファーム」の導入が先行しており、今後は補助金の拡大などによる普及の加速が期待される。

■燃料電池車の普及拡大に期待

さらに今後利用の促進が期待される用途としては、自動車などのモビリティ分野、産業用の分野がある。水素を使った燃料電池車(FCV)の魅力は、EV(電気自動車)に比べて長い航続距離と短い水素の充填時間だ。乗用車では、トヨタ自動車の「ミライ」、ホンダの「クラリティ フューエル セル」などが発売済みだ。20年末に発売されたトヨタの2代目「ミライ」は、水素タンクの搭載数を増やし、航続可能距離が850キロと初代よりも3割伸びた。一方価格は710万円からとなつており、補助金を加味すると570万円からとなり、やはりガソリン車に比べて高価な点がネックとなる。

FCVについては、バスやトラック、フォークリフトなどの商用利用が先に普及する可能性が高いと期待されている。国や都による補助金などもあり、2017 年から東京都交通局などでの一部路線で運行が開始された。20年4月には、東急バスの東京駅南口~等々力操車所を結ぶ「東98系統」で平日運行されている。FCVバスは発電容量も大きいため非常用の外部電源としても活用出来る。

また、排ガスや稼働時間の長さからバッテリー重量の問題から燃料電池フォークリフトも利用拡大のポテンシャルがあり、将来大きな水素需要源となり得る。国内では 16 年から燃料電池フォー クリフトの販売が開始されており、17年には関西空港の国際貨物地区に導入された。

海外では、アマゾン・ドットコムやウォルマートの物流倉庫での燃料電池フォークリフトの導入が進んでいる。物流拠点などでの利用は高額な水素ステーションの設置も1つで賄えるため、蓄電池フォークリフトからのシフトが進んだ。米国の燃料電池大手のプラグ・パワーはアマゾンやウォルマートへの施設への燃料電池の供給などで売り上げを大きく伸ばした。直近でも仏自動車大手ルノーや韓国のSKグループとの資本・業務提携を発表するなど投資家の関心は高く、株価は高値更新が続いている。

※米プラグ・パワー株の推移

※米プラグ・パワー株の推移

■燃料電池関連銘柄

燃料電池の主なタイプには、常温で起動し、起動時間が短いPEFC(Polymer Electrolyte Fuel Cel、固体高分子型)、発電効率が高く運転温度が高いSOFC(Solid Oxide Fuel Cell、固形酸化物型)がある。※このほかにもリン酸型、溶融炭酸塩型などの形式も。前者のPEFC型は家庭用や自動車用で主に用いられ、SOFC型は出力の高さから工業用や火力発電の代替用途として利用拡大が期待される。

京セラ(6971)はSOFC型がセラミックを電解質材料とすることから燃料電池セルの集合体のセルスタックに強みをもつ。三浦工業(6005)は、ボイラー技術を活かし19年に新型のSOFC業務用燃料電池システムを発売した。富士電機(6504)は病院やホテル、下水処理場など産業向けにリン酸型などの燃料電池システムの導入で実績がある。

※京セラ、三浦工業、富士電機の株価と日経平均株価の相対チャート

※京セラ、三浦工業、富士電機の株価と日経平均株価の相対チャート。(2019年末を100として指数化)

<金融用語>

再生可能エネルギーとは

再生可能エネルギーとは、太陽光、風力、波力・潮力、流水・潮汐、地熱、太陽熱など、一般的にエネルギー源として永続的に利用できるものをいう。資源が枯渇しないことに加えて、発電時や熱利用時に地球温暖化の原因となる二酸化炭素をほとんど排出しない優れたエネルギーといわれている。対義語は枯渇性エネルギー。 投資信託の分野では近年、再生可能エネルギー投資対象とする環境関連ファンドなども設定されている。

著者名

QUICK Market Eyes 阿部 哲太郎


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