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ネットフリックス、成長鈍化の懸念ひとまず払拭 今年は株価に逆風も

【NQNニューヨーク  戸部実華】市場の成長鈍化の懸念はひとまず払拭された。ネットフリックスが1月19日夕に発表した2020年10~12月期決算で契約者数が851万人増と2四半期ぶりに市場予想を上回り、7~9月期(220万人増)の4倍近くに膨らんだ。コンテンツ拡充を背景とした競争力の高さを改めて証明した形だ。10~12月期の持ち直しを受けて時間外取引で株価は大幅高となった。

■海外で伸びた契約者数

10~12月期の世界の有料契約者数は会社予想(600万人増)と市場予想(647万人増)を大幅に上回った。自宅でサービスを楽しむ「巣ごもり消費」の成長一巡が懸念されていたが、実績で覆した。通期では過去最高の3657万人増となり、有料契約者数は2億366万人と2億人を超えた。契約者数の再加速を好感し、決算発表後の時間外取引で株価は一時13%高となった。

10~12月期の契約者数の伸びをけん引したのは海外だ。増加数の9割を北米以外が占め、特に欧州・中東・アフリカが5割強に達した。海外で現地語を使った作品を制作する戦略が奏功した。動画配信を強化するウォルト・ディズニーなど新勢力が台頭する中、経営陣は「日々改善を続けて喜びをもたらせば視聴者にとって我々が動画配信の最初の選択肢になる」とコンテンツ力向上に専念した。昨秋に値上げに踏み切った北米も86万人増と7~9月期(18万人増)から加速し、強さを示した。

その基本方針は今後も揺らがない。12日には「毎週新しい映画を投入する」と発表し、一段のコンテンツ拡充を鮮明にした。コロナ禍で進捗が遅れた番組制作は大半の地域で遅れを取り戻し「500を超える作品が制作の終盤または配信の準備に入っている」という。

20年12月期通期の売上高営業利益率は前の期から5ポイント上昇の18%となり、会社は21年12月期は20%と予想する。フリーキャッシュフロー(FCF=純現金収支)についても「持続的な黒字化に極めて近い」という。20年12月期通期の特別項目を除くFCFは19億2172万ドルの黒字と、32億7438万ドルの赤字だった前の期から大幅に改善した。自社株買いなど株主還元を模索する考えだ。

■バリュー株シフトのリスク

もっとも、今年の株価は年間で67%上昇した昨年のようにはいかないとの見方もある。新型コロナウイルスのワクチンが普及し、経済活動の正常化への道筋が見えてくれば、市場でグロース(成長)株から景気敏感株などバリュー(割安)株への物色のシフトが起こる可能性がある。米長期金利の上昇観測が強まっているのもPER(株価収益率)が高いハイテク銘柄には逆風だ。

nflxとナスダック

※2019年末を100としてネットフリックスの株価とナスダック総合指数を指数化

ネットフリックス株の予想PERは54倍台。GAFAM(アルファベット、アップル、フェイスブック、アマゾン・ドット・コム、マイクロソフト)と呼ばれる巨大ハイテク企業でも、ネットフリックスよりPERが高いのはアマゾン(67倍台)だけだ。

昨年の巣ごもり消費の反動が出て契約者数の伸びが鈍れば、利益確定売りに押される展開も否定できない。市場の期待を上回る成長をどこまで続けられるか。一段の株価上昇のハードルは決して低くはない。

著者名

NQNニューヨーク 戸部 実華


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