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国内企業や機関投資家が円売りを吸収、期末の需給に注意

最終更新 2021/2/9 12:00 GPIF FX NQNセレクト

【日経QUICKニュース(NQN) 須永太一朗】2月8日の東京外国為替市場で、円相場は1ドル=105円台半ばを中心に推移した。一時600円高の日経平均株価に歩調を合わせた円売り・ドル買いも出たが、前週末5日の海外市場で付けた4カ月ぶり安値の105円76銭近辺とはまだ開きがある。前週末発表の米雇用統計が低調と受け止められドル売りが進んだ影響が色濃いが、国内勢が目先の円の一段安を阻むとの見方も広がりつつある。

■期末の円転

3月の年度末に向け、国内の企業や機関投資家が海外で得た利益を円転して確定させようと、円買い・ドル売りに動きやすい時期に入るためだ。円相場は4日、長期の運用指標である200日移動平均線を約8カ月ぶりに下回った。日銀の2020年12月の全国企業短期経済観測調査(短観)で示された、20年度下期の企業の想定レートである106円55銭にも近づいている。ある国内証券の担当者は、足元のタイミングをとらえて「利益確定や、21年度以降の為替予約を目的に円買い・ドル売りを顧客企業に進める金融機関の動きが例年以上に増えそう」とみる。

※米ドル/円の推移

■GPIF、外債と外国株式が25%超

主要な投資家の外貨建て資産の投資に一服感がみられることも、円売り・ドル買いの動きを抑えそうだ。年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が5日発表した運用状況によると、昨年末時点の外国債券の運用資産は46兆422億円だった。新規の買いや債券価格の上昇(利回りの低下)で、9月末から5兆5801億円(14%)増えた。大和証券の阿部健児氏の推計では、GPIFは10~12月期に外債を5.1兆円買い越したという。

ただ、運用資産全体に占める外債の比率は昨年末で25.71%と、基本ポートフォリオの25%を上回る。大和証券の阿部氏は前週の4日時点でも構成比は外債で25.14%、外国株式で26.11%といずれも基本ポートフォリオを上回っていると試算。「今後は外債の買いが鈍り、外国株への売りが続く可能性が高い」とみている。

■米景気回復は織り込み済み

昨年の2月は112円23銭近辺と、年間の安値を付ける場面があった。当時はセブン&アイ・ホールディングス(3382)が、米国でガソリンスタンド併設型コンビニエンスストアを展開する米スピードウェイ買収に約220億ドル(約2兆3000億円)を提示し、独占交渉に入ったと伝わった時期にあたる。実需の円売り・ドル買い需要が見込まれて円安に弾みが付いた。

今年は米国景気の回復が年間を通じてドル買い材料とみなされているが、米バイデン政権が進める1.9兆ドル規模の追加経済対策が早期に成立するとの期待や、新型コロナウイルスのワクチン普及などの材料は「足元の外為市場では織り込み済み」(三菱UFJモルガン・スタンレー証券の植野大作氏)との見方が多い。

昨年のセブン&アイのような追加の円売り・ドル買いの材料がない限り、国内勢の円買い需要や円売り抑止の流れをこなして、円が一段安となるシナリオは描きにくい状況といえる。岡三オンライン証券の武部力也氏は「106~108円台の定着へのハードルは意外に高い」とみている。

著者名

日経QUICKニュース(NQN) 須永 太一朗


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