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上抜けたTOPIX、工作機械受注は追い風となるか

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QUICK Market Eyes  阿部哲太郎】2月9日にTOPIX(東証株価指数)は3日続伸し1925で終えた。前営業日には2018年1月の高値1911ポイントを抜けて約3年ぶりの高値を上回っていた。これまで 「棺桶の蓋」となっていた18年1月高値を抜けて終えたことで日本株に対してさらに前向きな見方が広がりそうだ。

■TOPIXと相関性が高い工作機械受注

TOPIXの先行きを占ううえで工作機械受注(速報値)に注目したい。日本の工作機械はスマートフォンや自動車、家電などの最終製品の需要の先行指標としての側面を持っていることもあり、大型株に製造業の比率が高い日本株、TOPIXと相関性が高いといわれている。

※工作機械受注額とTOPIXの比較

日本工作機械工業会が9日発表した1月の工作機械受注総額(速報)は前年同月比9.7%増の886億3100万円と、3カ月連続で前年実績を上回った。工作機械受注が直近のピークを付けたのは、18年3月でその後米中貿易摩擦の悪化や半導体メモリーバブルの一服などもあり、減少傾向が続き、コロナ後の20年5月に底入れし、直近では出直り基調が続いている。

対してTOPIXは受注に先行する形で18年1月に1911ポイントの高値を付け、コロナ後の20年3月に1236ポイントの安値を付けている。

先月発表された20年12月の工作機械受注総額は外需がけん引する形で2カ月連続のプラスとなった。中国をはじめとして幅広い海外地域での回復が見られた。

直近の決算でも自動車メーカーや自動車部品、家電などの製造業で市場予想を上回る通期見通しの上方修正が相次いでいることもあり、工作機械受注に一段の伸びが確認できればさらなる日本株の追い風となりそうだ。

■三菱電機に期待

個別では、大手電機の中で出遅れの三菱電機(6503)に注目している。日経平均がコロナ後の安値を付けた20年3月19日から21年2月8日までを日立、東芝、パナソニック、シャープ、ソニー、TOPIXと比較すると三菱電機がもっとも出遅れていることがわかる。

※三菱電機、日立、東芝、パナソニック、シャープ、ソニー、TOPIXの推移

同社は2日に通期の業績予想を修正した。21年3月期は、売上高に相当する売上収益が前期比8%減の4兆1000億円、営業利益が同27%減の1900億円を見込む。従来予想からそれぞれ500億円、400億円上振れとなる。アナリスト予想の平均であるQUICKコンセンサス(16社)は、21年3月期の営業利益を1663億円と見込んでおり、これを約14%上回った。 海外を中心とした5G(次世代通信規格)や半導体関連の需要増加を背景にFA(工場自動化)システム、家庭電器の好調を受けた。

同時に発表した20年4~12月期(第3四半期)は、売上収益が前年同期比10%減の2兆9406億円、営業利益が同24%減の1377億円だった。

※三菱電機の業績

※三菱電機の業績(21年3月期は会社予想)参照

FAシステムや自動車用機器を手掛ける産業メカトロニクス事業の受注が回復している。20年10~12月期(第3四半期)の産業メカトロニクスの事業別受注高は、前年同期比7%増の3561億円と上半期累計の同18%減から大きく改善した。

非接触・生産性改善のニーズから省力化投資はコロナ禍においても加速する中、5G(次世代通信規格)などによる半導体への需要増も背景となっている

省エネを司るパワー半導体を手掛ける電子デバイス部門の受注高も20年10~12月期(第3四半期)は同5%増と上半期累計の20%減からこちらも改善している。EV(電気自動車)など自動車の電装化を背景に自動車向けが堅調なほか、産業用途が回復すれば一段の業績改善が見込めそうだ。

直近の PBR(株価純資産倍率)は1.46倍と過去10年平均のPBRの1.55倍を下回っており割高感はなく、出遅れの景気敏感株としての資金流入に期待したいところだ。

<金融用語>

PBRとは

Price Book-value Ratioの略称で和訳は株価純資産倍率。PBRは、当該企業について市場が評価した値段(時価総額)が、会計上の解散価値である純資産株主資本)の何倍であるかを表す指標であり、株価を一株当たり純資産BPS)で割ることで算出できる。 PBRは、分母が純資産であるため、企業の短期的な株価変動に対する投資尺度になりにくく、また、将来の利益成長力も反映しにくいため、単独の投資尺度とするには問題が多い。ただし、一般的にはPBR水準1倍が株価の下限であると考えられるため、下値を推定する上では効果がある。更に、PER株価収益率)が異常値になった場合の補完的な尺度としても有効である。 なお、一株当たり純資産BPS)は純資産株主資本)を発行済株式数で割って求める。以前は「自社株を含めた発行済株式数」で計算していたが、「自社株を除く発行済株式数」で計算する方法が主流になりつつある。企業の株主還元策として自社株を買い消却する動きが拡大しており、より実態に近い投資指標にするための措置である。

著者名

QUICK Market Eyes 阿部 哲太郎


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