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つみたてNISA、コツコツ3年で最大30万円超の含み益に―2月13日はNISAの日

NISA(ニーサ)の日(2月13日)が今年も近づいてきた。NISAは個人投資家が税制優遇を受けられる「少額投資非課税制度」のこと。金融庁の公表データによると、2020年9月末時点で一般NISAの口座数は約1209万口座、積み立て型の「つみたてNISA」は約274万口座だった。

若い世代の利用者が多いつみたてNISAは、18年1月の制度開始から3周年を迎えた。20年12月末までの3年間に毎月一定額を積み立てるコツコツ投資を続けていたら、どれくらいの運用成果が出ただろうか。つみたてNISA対象ファンドの損益を計算してみた。

■日経平均連動型が含み益上位に

18年1月から20年12月までの36カ月間、年間の非課税枠40万円を最大限活用できるように毎月末に3万3333円購入した場合を計算した。対象は18年1月末時点につみたてNISA対象商品だった140ファンド(ETF除く)。

20年12月末時点で含み益になったのは、140本中139本だった。利益額が大きい順に並べてみると、上位には日経平均株価に連動する運用成果を目指すインデックス型(指数連動型)が並んだ(図表A)。上位10本は全て、積み立てた総額(元本)の約120万円に対し、含み益が30万円を超えた。

 

■含み損はバランス型の1本のみ

利益額の首位は「iFree 日経225インデックス」の32万9693円。積み立てた総額の約120万円が3年で153万円程度まで増えたことになる。

20年12月末時点で損失を抱えていたのは「東京海上・円資産インデックスバランスファンド<愛称:つみたて円奏会>」の1本だけで、投資元本に対して約1万8千円のマイナスだった(図表B)。

■タイプ別の成績上位一覧、首位は日経平均連動型

2018年1月末時点につみたてNISA対象商品だった140ファンド(ETF除く)を主な投資対象資産別に分け、成績上位を一覧にした(図表C)。投信分類ごとに3本ずつ(日本株ファンドだけインデックス型とアクティブ型の各2本)を掲載した。

積み立てた総額(元本)の約120万円に対し、20年12月末時点で評価額がどれくらい増えたかが一目でわかる。

■積み立ての運用成果、過半が一括投資を上回る

この3年間は積み立て投資に比較的有利な相場環境だった。2020年12月末時点まで3年間にわたり積み立て投資をした場合と、積み立て総額と同額を18年1月末に一括投資した場合を比べたところ、算出対象とした140ファンドのうち92本で積み立ての運用成果のほうが良かった。

主な投資対象資産別で積み立て投資の成績上位だったファンドについて、一括投資と比較したのが図表Dだ。特に差が大きかったのは新興国株で運用するタイプ。例えば「eMAXIS Slim 新興国株式インデックス」は積み立てでの利益額が約21万円だったのに対し、一括投資では3万円弱にとどまった。

■「楽天・全米株式」が+30万円、「ひふみ」は+29万円

つみたてNISA対象商品のうち、特にネット証券で人気のファンドがこの3年間でどれだけ利益を出したか調べてみた。対象は昨年12月にネット証券5社(SBI、楽天、マネックス、auカブコム、松井)のNISA口座(一般NISA、ジュニアNISAを含む)で買い付け金額が多かった上位5本とした。

まずはつみたてNISA制度が始まった2018年1月までに運用を始めていた3本について、この3年間の推移をグラフにした(図表E)。20年12月末時点で積み立てた総額(元本)の約120万円に対し、楽天投信投資顧問の「楽天・全米株式インデックス・ファンド<愛称:楽天・バンガード・ファンド(全米株式)>」の含み益が約30万円(評価額150万円程度)、レオス・キャピタルワークスの「ひふみプラス」が約29万円(評価額149万円程度)、ニッセイアセットマネジメントの「<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド」が約25万円(評価額145万円程度)だった。

3本とも昨年のコロナショックでは評価額が元本を下回り、一時的に含み損が生じたことがわかる。しかし、毎月一定額を購入する積み立て投資では、相場の下落局面で口数を多く買い入れることができたため、その後の回復局面でそろって利益を伸ばした。

■「eMAXIS Slim(S&P500)」は2年半で+20万円

ネット証券でつみたてNISAに多く利用されているファンドのうち、制度開始後に運用を始めたのが三菱UFJ国際投信の「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」と、SBIアセットマネジメントの「SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド<愛称:SBI・バンガード・S&P500>」

それぞれ設定したその月末に積み立てを始めたと仮定し、2020年12月末時点の運用成果を調べた。「eMAXIS Slim」は積立期間が18年7月からの約2年半で、元本の約100万円に対し、含み益が約20万円(評価額120万円程度)だった。19年9月から積み立てた「SBI・バンガード」は1年3カ月で元本の約53万円に対し、含み益が約7万円以上(評価額61万円程度)あった(図表F)。

つみたてNISA3周年の節目で比べた今回の調査では、全般にコツコツ投資が報われる好結果になった。ただ、投資で常に利益が上がるとは限らないし、積み立て投資が一括投資より不利な相場環境のときもある。この点はしっかり理解して、難局にぶつかることも覚悟しながら、自分に合った商品でじっくり長期の資産形成にのぞみたい。

著者名

QUICK資産運用研究所 望月 瑞希

著者名

QUICK資産運用研究所 西田 玲子


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