【QUICK Market Eyes 川口究】大和証券は2月12日付リポートで、アクティビストによる保有と企業の業績、株価リターンに関して検証を行った。検証の結果、ネットキャッシュの割合が高く、株価が中期的に下落基調の銘柄がアクティビストより大量保有報告される傾向であった。また、保有の報告後1年では業績等は変化しないものの、バリュエーションは上昇する傾向が見られた。
また、アクティビストによる保有比率の増加報告後は短期、長期でそれぞれアウトパフォームする傾向が見られたという。一方で保有比率が減少した銘柄は一時的にアンダーパフォームするものの、「長期で見るとパフォーマンスは悪くはなかった」と指摘。1社以上のアクティビストに保有されており、かつネットキャッシュ÷時価総額の高い銘柄を示した。こうした銘柄は「更に他のアクティビストの投資対象となる可能性もある」とも指摘した。
コード | 銘柄略称 | コード | 銘柄略称 |
4295 | フェイス | 6678 | テクノメディカ |
8011 | 三陽商 | 8013 | ナイガイ |
6986 | 双葉電 | 6022 | 赤阪鉄 |
7521 | ムサシ | 8085 | ナラサキ |
6349 | 小森 | 4301 | アミューズ |
1814 | 大末建 | 7877 | 永大化工 |
3529 | アツギ | 1788 | 三東工業 |
1904 | 大成温 | 2122 | Iスペース |
6930 | 日アンテナ | 7958 | 天馬 |
1992 | 神通機 | 6485 | 前澤給 |
<金融用語>
アクティビストとは
アクティビストとは、英語表記はActivist。株式を一定程度取得した上で、その保有株式を裏づけとして、投資先企業の経営陣に積極的に提言をおこない、企業価値の向上を目指す投資家のことをアクティビストという。 いわゆる「物言う株主」で、経営陣との対話・交渉のほか、株主提案権の行使、会社提案議案の否決に向けた委任状勧誘等をおこなうことがある。ただし、最近では株式の保有割合が低くても、投資先企業に積極的に提言をおこなうケースもみられる。