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Goal11「住み続けられるまちづくりを」―SDGsの今を知る

最終更新 2021/3/19 11:00 新興国 SDGs 環境 SDGsの今を知る

SDGsの今を知る VOL.12 クラウドクレジット編集部

SDGsの17のゴールのうち、11番目には「住み続けられるまちづくりを」という目標が掲げられています。この目標を裏返すと、「住み続けられないまち」がたくさんあり、放置しておくと危機的状況になる可能性があるということになります。「住み続けられないまち」とはどのような街なのか見ていきましょう。

※SDGsアイコン「11.住み続けられるまちづくりを」

「住み続けられないまち」スラム街の問題点

「住み続けられないまち」の代表例の1つが「スラム街」です。スラム街とは大都市の内部や周辺に、低所得者層が密集して暮らしている地域のことです。スラム街で暮らす人の多くは、紛争を逃れてきた難民や仕事を求めて地方から移住してきた人々です。こうした人の多くは教育を受ける機会に恵まれておらず、就業を断られてしまう、あるいは仕事を見つけられたとしても劣悪な条件であったり単発であったりします。結果として、都市の高い住居費を支払うことができない人が、既存の住民が使用していない未開発の地域や、ゴミ捨て場、河川用地など、生きるための食事や飲料水、単発の仕事などを比較的得やすい地域に集まることで、スラム街が形成されます。

スラム街で暮らす人々は高い失業率、貧困率からやむを得ず犯罪や麻薬取引などの違法行為に手を染めてしまうこともあり、治安は良くありません。また、住宅が脆く火事や地震といった災害の際は多くの人が犠牲になります。上下水道などのインフラが整備されておらず衛生環境が悪いため感染症などのリスクも高い状況です。一度感染症が流行すると、密集して生活していることからすぐに伝染してしまいます。CNNによると、2020年7月末時点でインドのムンバイのスラム街では57%の人が新型コロナウイルスに感染しているとのことです。

スラム、インフォーマルな居住地及び不適切な住宅に居住する都市人口の割合

世界銀行によると、スラム街で生活する人は減少傾向にあるものの2018年時点では世界全体で都市人口に対し約3割います。その人数はおよそ9億人です。特に、貧しい地域であるサブサハラアフリカにおいては、半数以上の人がスラム街などのインフォーマルな居住地や不適切な住宅で生活しています。また南アジア地域では、特にインドやアフガニスタンなどにおいて近年スラム街居住者が増加傾向にあるようです。

新興国の街事情

スラム街に限らず、新興国の「まちづくり」はまだ途上であり多くの問題点を抱えています。例えば、道路が整備されておらず穴があちこちに空いているため、日本国内なら車で1時間走れば着く場所に、3時間かかるケースがあります。また、下水道が整備されておらず少し激しい雨が降ると道が冠水し移動が著しく制限されます。古い型の車がたくさん走っており、大気汚染が深刻な都市もあります。脆弱なインフラしか整っていないため、日本では死者が出ないような規模の災害でも多くの人が亡くなっています。

先進国の街事情

新興国だけでなく先進国の「まちづくり」にもまだまだ改善の余地があります。都市には多くの人が集まって暮らしています。こうした都市で暮らす人々の生活やインフラを支えるため、膨大な量のエネルギーや資源が必要となりますが、古い設備のままだと環境負荷が高くなってしまいます。地球温暖化を防止しながら、安定的なエネルギー供給に基づく現在の利便性の高い暮らしを維持するためには、ごみの発生抑制や廃棄物の活用、省エネ化といった取り組みが必要です。

SDGs「11. 住み続けられるまちづくりを」に紐づけられる10個のターゲット

SDGsでは、17のゴールの各々に紐づけられる169のターゲットを定めています。「11.住み続けられるまちづくりを」のターゲットは以下の10個になります。

11-1

2030年までに、すべての人々の、適切、安全かつ安価な住宅及び基本的サービスへのアクセスを確保し、スラムを改善する。

11-2

2030年までに、脆弱な立場にある人々、女性、子ども、障害者及び高齢者のニーズに特に配慮し、公共交通機関の拡大などを通じた交通の安全性改善により、すべての人々に、安全かつ安価で容易に利用できる、持続可能な輸送システムへのアクセスを提供する。

11-3

2030年までに、包摂的かつ持続可能な都市化を促進し、すべての国々の参加型、包摂的かつ持続可能な人間居住計画・管理の能力を強化する。

11-4

世界の文化遺産及び自然遺産の保護・保全の努力を強化する。

11-5

2030年までに、貧困層及び脆弱な立場にある人々の保護に焦点をあてながら、水関連災害などの災害による死者や被災者数を大幅に削減し、世界の国内総生産比で直接的経済損失を大幅に減らす。

11-6

2030年までに、大気の質及び一般並びにその他の廃棄物の管理に特別な注意を払うことによるものを含め、都市の一人当たりの環境上の悪影響を軽減する。

11-7

2030年までに、女性、子ども、高齢者及び障害者を含め、人々に安全で包摂的かつ利用が容易な緑地や公共スペースへの普遍的アクセスを提供する。

11-a

各国・地域規模の開発計画の強化を通じて、経済、社会、環境面における都市部、都市周辺部及び農村部間の良好なつながりを支援する。

11-b

2020年までに、包含、資源効率、気候変動の緩和と適応、災害に対する強靱さ(レジリエンス)を目指す総合的政策及び計画を導入・実施した都市及び人間居住地の件数を大幅に増加させ、仙台防災枠組2015-2030に沿って、あらゆるレベルでの総合的な災害リスク管理の策定と実施を行う。

11-c

財政的及び技術的な支援などを通じて、後発開発途上国における現地の資材を用いた、持続可能かつ強靱(レジリエント)な建造物の整備を支援する。

出所:外務省HP資料に基づいてクラウドクレジット作成

国連によると、現在世界人口の55%が都市部に住んでいますが、2050年には68%が都市部に住むようになると予測されています。世界の人口増加を加味すると、2050年までに25億人が新たに都市部に流入されると予測されており、そのうち90%がアジアとアフリカにおいて起こる、とのことです。「住み続けられるまちづくり」は、まさに待ったなしの課題です。

日本をはじめとした先進国は、まちづくりの技術やノウハウ、資金をODA(政府開発援助)や民間の投資といったかたちで新興国へ提供することで、目標達成に向けた貢献をしていくことが必要不可欠といえます。

 

(月1回配信します)

写真=Linh Pham/Getty Images


クラウドクレジット株式会社 :「日本の個人投資家と世界の信用市場をつなぐ」をコーポレートミッションとして掲げ、日本の個人投資家から集めた資金を海外の事業者に融資する貸付型クラウドファンディングを展開。新興国でのインフラ関連案件も多く、現地のマクロ・ミクロ経済動向などに詳しい。累計出資金額約350億円、運用残高約146億円、ユーザー登録数約5万人(2021年3月8日時点)


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