【NQNニューヨーク=張間正義】米国では資産を早めに築いて早期リタイアする「FIRE」が急増している。米連邦準備理事会(FRB)による前例のない金融緩和策がもたらした株高などで保有資産が増え、勤労意欲が低下。早期リタイアが増えており、労働供給力が低下すればインフレは「一時的」との見方を続けるFRBを苦しめることになりかねない。 ■早期リタイアが可能に 米セントルイス連銀の労働市場に関する調査では、早期リタイアが大幅に増えている。米国の総人口に占める退職者の比率はリーマン・ショックが発生した2008年までは16%程度で安定的に推移。その後はベビーブーマー世代の退職など構造的な問題も影響し、今...

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金融緩和で雇用を支えるつもりが、資産価格の急上昇で大量のアーリーリタイア層を出してしまい、結果として雇用が伸びない(労働意欲のない人を増やしてしまった)。理論と現実の乖離を示す実例で、すごく面白い話。