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株価のボトムはいつか?(フィデリティ投信 重見吉徳氏)

しばらく前に「玉ネギの価格が上がっている」という話をしましたが、野菜はなにもかも高くなっています。早く梅雨が明けてしまったことも心配です。

直近2回のレビュー:「株価は今回、それなりに下がっている」

さて、ここまで2回にわたり、

  1. 過去、インフレ率が(直近の)「8.6%」から「2%」まで低下するときには、株価はどのくらい下がっているのか?(→1914年からの平均値▲27.9%;サンプル数13)
  2. 過去の景気後退では、株価はどのくらい下がるのか?(→1871年からの平均値▲27.9%;サンプル数28;偶然の一致か、必然と言うべきか)


 について見ました。

現在のS&P 500はすでに、ピークから最大で「23.6%」の下落が生じています。日次ベースでは今年1月3日が株価のピークです。上記2つの過去の平均下落率と比べると、「株価はそれなりに下がっている」という印象を受けます。

「今回の株価調整は、タイミングがかなり早い」

加えて、前回、お伝えしたのは、①株価のピークは平均して「景気後退入りの約5ヵ月前」、②株価のボトムは同「景気後退明けの約5ヵ月前」に生じているという事実です。すなわち、想像どおり「株価が景気に先立つ」ということです。

しかし、そう考えると、今回は、

  1. 株価のピークからすでに「6ヵ月近く」が経過しており、なおかつ、
  2. (失業率の上昇で特徴づけられる)景気後退はまだ始まっていない、


 わけですから、景気後退の訪れを仮定すれば、「株価の調整は、かなり先行している」と考えられます。

実際、「前のめり」しているのはマーケットだけでなく、(いつもは強気を装う)米連邦準備制度理事会(FRB)も同様です。

パウエル議長は先週、議会の公聴会で「(景気後退は)我々が意図する結果ではないが、確かにひとつの可能性である」と極めて率直に述べました。また、FRBのエコノミストは、インフレ率、失業率、クレジット・スプレッド、ターム・スプレッドに基づき、向こう四半期の景気後退確率を「50%超」と分析しています。

なんだか誰もが景気後退の準備をしているように見えます。

では、

  1. 株価のピークは今年1月で、
  2. このまま景気後退に向かう


 とすれば、株価のボトムはいつでしょうか。重要なポイントは、「株価ボトムまであと何ヵ月?」という問いは、「安く買えるのはあと何ヵ月?」という問いに転換できるということでしょう。

株価のピークと株価のボトムはいつ生じているか?

前回と同様、1871年からの30回の景気後退のうち、景気後退の直前やその最中に株価の下落が伴った28回のサンプルを使います。

【次の表】は、その28回の景気後退のそれぞれで、①株価のピークは景気後退「入り」の何ヵ月前に、②株価のボトムは景気後退「明け」の何ヵ月前にそれぞれ生じているのかを見たものです(→いずれも「マイナス表示」としています)。

前回と上でも述べたように、平均すると、①ピークは「景気後退入りの約5ヵ月前(5.4ヵ月前)」、②ボトムは「景気後退明けの約5ヵ月前(4.8ヵ月前)」に生じています。

過去151年の28回の景気後退時のS&P500の挙動(表)

この【表】を眺めると、なんとなくですが、「株価のピークが早く来れば、株価のボトムもそれに比例して早く来る」という傾向が見て取れそうです。そこで、表を散布図にしたのが、【次の図】です。(グラフの形状が大事なので、さほど気にしなくてよいですが、いちおう書いておくと)【横軸】が①株価のピークは景気後退入りの何ヵ月前に生じているか、【縦軸】が②株価のボトムは景気後退明けの何ヵ月前に、それぞれ生じているのかを見たものです。

過去151年の28回の景気後退時のS&P500の挙動(グラフ)

サンプルは、おおむね、【図の左下;どちらもマイナス】に位置していますから、①株価のピークは景気後退「入り」の前に、②景気後退「明け」の前にそれぞれ生じます。また、おおむね【左下】に向かって伸びていますから、「株価のピークが早く来れば、株価のボトムもそれに比例して早く来る」という傾向が確認できます。

おおまかな目安*として、(何度も述べたように)過去の平均では、①ピークは「景気後退入りの約5ヵ月前」、②ボトムは同「景気後退明けの約5ヵ月前」に生じていて、ほぼ同じですから、これを援用して、株価のピークが株価のピークが景気後退「入り」のXヵ月前なら、ボトムも景気後退「明け」のXヵ月前といったように、ピークもボトムも同じ月数(前後)で考えるのが、わかりやすいでしょう(→*より精緻に計算する方法として、線形回帰式を使う方法があります)。

株価のボトムは、「今年の終わりから来年前半頃」ではないか?

仮に、

  1. 景気後退の期間が「16.7ヵ月間」(→1871年からの平均期間)、
  2. ①株価のピークから景気後退「入り」までの期間と、②株価のボトムから景気後退「明け」までの期間が同じである(→1871年からの平均では両者はほぼ同じ)


 とすれば、株価のボトムは「来年6月」に訪れる計算になります。

上記を【次の図】にまとめます。

「景気後退入りのタイミング」と「景気後退の期間(16.7ヵ月)」から推測した株価ボトムのタイミング

他方で、「そんなに長い景気後退にはならないだろう」と推測し、仮に、

  1. 景気後退の期間が「10.3ヵ月間」(→第2次大戦後の平均値)
  2. ①株価のピークから景気後退「入り」までの期間と、②株価のボトムから景気後退「明け」までの期間が同じである(→1871年からの平均では両者はほぼ同じ)


 とすれば、株価のボトムは「今年11月」に訪れる計算になります。

【次の図】にまとめています。

「景気後退入りのタイミング」と「景気後退の期間(10.3ヵ月)」から

この2つのシナリオをまとめると、株価のボトムは「今年の終わりから来年の前半頃」ということになります。

「なんだか、まだだいぶ先だなぁ」と思われるかもしれませんが、積み立て投資をする場合、現時点から、そこまでの期間が「主戦場」と言えるかもしれません。

 


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著者名

フィデリティ投信 重見吉徳


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