【日経QUICKニュース(NQN) 船田枝里・阿部美佳】ソフトバンクグループ(9984、SBG)が1日起債した個人投資家向けの7年物普通社債は、利率が2.84%に決まった。条件決定前に発行体の格付け見通しが「ネガティブ」に変更されるといった逆風もなんのその。ある引受証券会社の店舗の担当者からは「2%台後半という利率を伝えると、資金に余裕がある投資家は買う意欲を示した」との声が聞かれた。
■前回と同じ商品性
利率は仮条件として提示した2.45~3.05%のやや上方で決まった。SBGが1月に条件決定した、債務不履行時の返済順位の低さから利率が高くなる劣後特約付き社債(2.48%)を上回った。格付けは日本格付研究所(JCR)から「シングルAマイナス」を取得する予定だ。申込期間は2~15日で、払込期日は16日。調達した資金は、2015年12月に発行し、この12月に償還期限を迎える7年物国内普通社債(発行額3700億円)を中心とした借り換えなどに充てる。
SBGが個人投資家を対象に普通社債を起債するのは19年9月以来およそ3年ぶりとなる。昨年度は個人投資家を主な対象に劣後債の大型起債を3度(発行総額は1兆4000億円超)実施した。今回、普通社債を選んだ理由について、SBGの担当者は「投資家の需要と償還日程を勘案し、今回償還を迎える7年普通社債という前回と同じ商品性に決めた」と説明する。
足元の金利環境をみると、米欧など海外中央銀行の大幅利上げなどを背景に国内金利にも上昇圧力がかかりやすくなっている。今回のSBG債の利率(2.84%)は、借り換えとなる15年12月に発行した個人向け社債の2.13%を上回る。今回債の利率についてSBGの広報担当者は「対象としている当社の社債の流通市場(セカンダリー)での実勢やベース金利が上昇している状況に基づいて決めた」と明かす。
個人投資家には相変わらず人気が高いSBG債だが、その主因はやはり、利率の高さだ。格付けや発行額などの違いから単純に比較はできないが、7月に光通信(9435)が条件を決めた7年物の個人投資家向け債の利率が1.00%だったのに比べると、SBG債の利率の高さがみてとれる。

有料会員限定記事
-
POINT 01全記事
(15,000本)
が読み放題 -
POINT 02セミナー
動画 が 見放題 -
POINT 03プレミ
アム ウェビ ナー 参加 -
POINT 04企業の
公開情報 を メール 通知
本文中にあるように、光通信と比較すると利率の高さがよくわかりますね。社債と株式、どっちに投資するのが魅力的なんでしょうか。。。