【NQNニューヨーク=稲場三奈】23日の米株市場で値動きが目立った銘柄は以下の通り。△は上昇、▲は下落。
◎コンサルティングのアクセンチュア(ACN) △7.3%
23日に発表した2022年12月~23年2月期決算で売上高や特別項目を除く1株利益が市場予想を上回った。新規契約件数が過去最高の前年同期比で13%増え、増収につながった。一段の経営効率化のため、今後1年半で全従業員の2.5%に当たる1万9000人を削減する計画だという。
◎バイオ製薬のリジェネロン・ファーマシューティカルズ(REGN) △6.8%
仏サノフィと共同開発した喘息薬「デュピクセント」が、慢性閉塞性肺疾患(COPD)にも効果があるというデータを23日に公表した。最終臨床試験で発作を30%減少させ、肺機能改善につながったという。新たなCOPD治療薬になりうるとの期待が買いを誘った。最終試験第2弾の結果発表は24年を予定している。
◎住宅建設のKBホーム(KBH) △7.5%
22日夕に発表した22年12月~23年2月期決算で売上高が建設と金融サービスの両部門で市場予想を上回った。1株利益も予想以上だった。住宅は春の需要期に入り、1~2月の受注が好調だったという。5億ドルの自社株買いを発表したことも好感された。
◎動画配信のネットフリックス(NFLX) △9.0%
投資調査会社YipitDataのリポートでカナダでの契約者数の伸びが改善したと23日に伝わった。19日にはブルームバーグ通信がネットフリックスの広告付きサービスの契約者数が米国で100万人を超えたと伝えていた。
◎決済サービスのブロック(SQ) ▲14.8%
空売り専門の米投資会社ヒンデンブルグ・リサーチが23日、ブロックの送金・金融アプリ「キャッシュアップ」内のアカウントの40~75%が虚偽ユーザーだと指摘した。銀行口座を持たない犯罪者がマネーロンダリング(資金洗浄)などに利用でき、経営問題に発展しかねないと警戒した売りが殺到した。
◎仮想通貨交換業のコインベース・グローバル(COIN) ▲14.1%
22日に米証券取引委員会(SEC)が強制措置を講じる前に通知する「ウェルズ通知」を受け取ったと発表した。SECは証券取引法違反の可能性があると警告しており、経営を巡る先行き不透明感から売りが広がった。これを受け、オッペンハイマーは投資判断を「買い」から「中立」に引き下げた。
◎ペット用品ネット通販のチューイー(CHWY) ▲7.5%
22日夕発表の22年11月~1月期決算はおおむね好調だったものの、アクティブユーザー数が市場予想を下回り、前年度末比でも減少した。これを受け、23日にドイツ銀行が投資判断を「買い」から「中立」に目標株価を41ドルから35ドルに引き下げた。