【ＮＱＮﾆｭｰﾖｰｸ＝三輪恭久】30日の米株市場で値動きが目立った銘柄は以下の通り。△は上昇、▲は下落。

◎充電設備のＥＶゴー（EVGO）　△22.1％
　30日朝に発表した2022年10～12月期の決算は売上高が前年同期比3.8倍の2730万ﾄﾞﾙだった。ＱＵＩＣＫ・ファクトセットがまとめた市場予想（1990万ﾄﾞﾙ）を上回った。拠点の拡大や利用者数の増加が寄与した。１株損益は0.06ﾄﾞﾙの赤字と、市場予想（0.16ﾄﾞﾙの赤字）より少なかった。

◎エネルギー貯蔵システムのフルエンス・エナジー（FLNC）　△14.7％
　ゴールドマン・サックスが投資判断を「中立」から「買い」に、目標株価を25ﾄﾞﾙから29ﾄﾞﾙに引き上げた。担当アナリストは契約改定に伴う値上げやコスト管理に加え、原材料・物流費の下落が収益の改善に寄与すると指摘した。太陽光やエネルギー貯蔵関連セクターがこのところ下落していたことから、魅力的な株価水準にあるとの見方も示した。

◎たばこのフィリップ・モリス・インターナショナル（PM）　△2.0％
　ＪＰモルガンが投資判断を「中立」から「買い」、目標株価を109ﾄﾞﾙから116ﾄﾞﾙにそれぞれ引き上げた。担当のアナリストは加熱式たばこ「アイコス」が米国市場での発売を控え、成長余地が大きいことを評価。2023年後半までには供給網の制約が解消し、24年に向け利益成長を支えるとみていた。

◎小売りのウォルマート（WMT）　△1.0％
　エバコアＩＳＩがウォルマートの投資判断を「中立」から「買い」に、目標株価を145ﾄﾞﾙから160ﾄﾞﾙに引き上げた。デジタル化の推進に加え、非中核事業からの撤退、生産性の向上によって、今後２年間の客足の増加や利益の拡大につながるという。

◎百貨店のコールズ（KSS）　△3.8％
　トーマス・キングスベリー最高経営責任者（ＣＥＯ）がコールズの９万2500株を取得したことが米証券取引委員会（ＳＥＣ）に提出した資料で明らかになった。29日付で１株当たり21.82ﾄﾞﾙで取得。同氏の保有株数は22万8993株に増えた。

◎ネット証券のチャールズ・シュワブ（SCHW）　▲5.0％
　モルガン・スタンレーが投資判断を「買い」から「中立」に引き下げた。シリコンバレーバンクの破綻などの影響でチャールズ・シュワブの株価は29日までに月間で３割弱下落した。担当アナリストは顧客資産がＭＭＦ（マネー・マーケット・ファンド）へ移り、短期的に収益を圧迫する要因になっていると指摘。回復するタイミングに確信が持てないとしている。

◎動画配信機器・サービスのロク（ROKU）　▲3.6％
　全従業員の６％に相当する200人の人員削減計画が米証券取引委員会（ＳＥＣ）に提出した資料で明らかになった。あわせて利用していないオフィスからの撤退や契約の解除も公表。3000万～3500万ﾄﾞﾙのリストラ費用を見込む。大半は2023年１～３月期に計上し、４～６月期末までには完了するとの見方を示した。

◎高級家具のＲＨ（RH）　▲3.3％
　29日夕に発表した2022年11月～23年１月期の決算は、売上高と１株利益が市場予想を下回った。24年１月期通期の売上高見通しも市場予想に届かなかった。決算を受け、アナリストの目標株価引き下げが相次いだ。ＵＢＳのアナリストは「先行きの不確実さがあるなかで、足元の状況が悪化しているため、ＲＨは慎重な姿勢を示した」と指摘した。