【日経QUICKニュース(NQN)】16日午前の東京株式市場で東証株価指数(TOPIX)が21年9月14日に付けた2118.87を超え、1990年8月以来およそ33年ぶりの高値を一時上回った。2021年9月14日と、前週末12日までの時価総額の増減を調べると、米著名投資家の物色や日銀の緩和修正観測が相場のけん引役として浮かび上がった。
増加率の首位は丸紅(8002)だった。米著名投資家ウォーレン・バフェット氏率いる投資会社バークシャー・ハザウェイの保有が明らかになった5大商社株がすべて上位15位以内に入った。
銀行株の健闘も目立った。黒田東彦前総裁の任期終盤にあたる22年12月に日銀が長期金利の変動許容幅を拡大し、大規模緩和策の修正観測が高まった。りそなホールディングス(8308)や三井住友フィナンシャルグループ(8316)などには運用環境の改善を期待した買いが入った。
一方、減少率の首位はエムスリー(2413)だった。米長期金利が上昇し、PER(株価収益率)が高い銘柄が売られた。傘下の投資ファンドの運用成績が振るわなかったソフトバンクグループ(SBG、9984)も減少率の上位に顔を出した。
■時価総額増加率の上位15社 | ■時価総額減少率の上位15社 | ||
丸紅(8002) | 93.56 | エムスリー(2413) | ▲63.76 |
三菱重(7011) | 67.96 | ZHD(4689) | ▲52.32 |
第一三共(4568) | 65.53 | ニデック(6594) | ▲48.97 |
住友商(8053) | 55.06 | リクルート(6098) | ▲45.92 |
三井物(8031) | 52.41 | SBG(9984) | ▲40.03 |
JR西日本(9021) | 51.88 | シスメックス(6869) | ▲39.35 |
OLC(4661) | 49.08 | シマノ(7309) | ▲39.12 |
三菱商(8058) | 43.83 | 富士フイルム(4901) | ▲37.36 |
りそなHD(8308) | 42.52 | レーザーテク(6920) | ▲34.72 |
三井住友FG(8316) | 40.35 | オムロン(6645) | ▲30.80 |
ルネサス(6723) | 38.57 | 日本取引所(8697) | ▲28.74 |
JT(2914) | 37.42 | 村田製(6981) | ▲25.69 |
味の素(2802) | 32.84 | 花王(4452) | ▲25.43 |
伊藤忠(8001) | 32.45 | 三菱ケミG(4188) | ▲24.67 |
東京海上(8766) | 28.72 | 旭化成(3407) | ▲24.37 |
※対象は12日時点のTOPIX100指数の構成銘柄。単位はパーセント。▲はマイナス。小数第三位を四捨五入。 |