【NQNニューヨーク=横内理恵】30日の米株市場で値動きが目立った銘柄は以下の通り。△は上昇、▲は下落。
◎電気自動車(EV)のテスラ(TSLA) △4.1%
イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)が30日、北京で中国の秦剛国務委員兼外相と会談し、中国事業を拡大していく考えを示したと伝わった。李強(リー・チャン)首相と会談する可能性もあるといい、中国事業の強化が期待された。
◎画像処理半導体(GPU)のエヌビディア(NVDA) △3.0%
上場来高値を更新し、一時は時価総額が初めて1兆ドルの大台に乗せた。人工知能(AI)向け半導体の需要拡大を見込んだ買いが続いた。30日に開幕したIT(情報技術)見本市「台北国際電脳展」(コンピューテックス台北)に合わせて新製品を発表したことも買いを誘った。
◎自動車のフォード・モーター(F) △4.1%
ジェフリーズが30日に投資判断を「中立」から「買い」に引き上げた。フォードが公表している利益率改善目標が市場予想に織り込まれておらず、株価水準が「魅力的」と指摘した。
◎AIソフトのC3ai(AI) △33.4%
30日にアマゾン・ドット・コム傘下のクラウドサービス「AWS」上で生成AIサービスの提供を始めると発表した。31日発表の2023年2~4月期決算への期待も買いを誘った。生成AIの普及が加速していることを受け、関連銘柄とされるビッグデータ分析のパランティア・テクノロジーズ(PLTR)などへの買いも続いた。
◎オンライン融資のソーファイ・テクノロジーズ(SOFI) △11.5%
米連邦政府の債務上限問題を巡るバイデン米大統領と野党・共和党のマッカーシー下院議長の合意案を受け、2020年3月から続いてきた米政府の学生ローンの返済猶予措置が8月末以降は延長されない見通しとなった。ローン借り換え需要が回復するとの期待が広がった。
◎EV向け充電所運営のチャージポイント・ホールディングス(CHPT) △14.1%
バンク・オブ・アメリカが30日に投資判断を「中立」から「買い」に引き上げた。米国のEV充電サービス網で7割近いシェアを持ち、2024年中にキャッシュフローの黒字化が期待できると指摘した。株価が上場来安値圏で推移しており、バリュエーション(投資尺度)も「値ごろ」という。
◎ディスカウントストアのビッグ・ロッツ(BIG) ▲13.6%
26日発表の2023年2~4月期決算で売上高が市場予想以上に落ち込み、赤字幅が予想を上回った。財務を強化するために四半期配当も停止した。決算後に複数のアナリストが目標株価を引き下げたのを受け、売りが膨らんだ。株価は26日も13%下落していた。