【日経QUICKニュース(NQN) 岡田真知子】海外投資家の日本株買いの勢いが止まらない。東京証券取引所が1日発表した5月第4週(5月22~26日)の投資部門別売買動向(東証・名証の合計)では、海外勢が現物株を3816億円買い越した。3月第5週(3月27~31日)から9週連続の買い越しだった。2017年5月第5週(5月29日~6月2日)までの連続買い越し記録に並んだ。
17年当時は米トランプ政権が大幅な法人減税を軸にした税制改革の概要を発表。3月末時点で1万8909円だった日経平均は2万円の大台回復を目指して上昇していた。海外勢が現物株を買い越していた17年と23年の4~5月の上昇率上位15銘柄を比べた。
17年当時の上昇率首位は任天堂(7974)だった。3月初旬に家庭用ゲーム機のニンテンドースイッチを発売し、大ヒットしていた。日本代表銘柄の一角として海外勢に選好されたようだ。2位は半導体製造装置大手の東京エレクトロン(8035)だった。このほか、サイバーエージェント(4751)や楽天グループ(4755)などグロース(成長)株の健闘が目立つ。
23年は首位が製造装置大手のアドバンテスト(6857)。5位にSCREENホールディングス(7735)が入ったほか、東エレクも16位とやはり半導体関連銘柄が健闘した。5月の記録的な上昇は「アドバンテスト相場」と呼ぶ市場関係者もいるほどだ。17年はハイテクやゲーム株、23年は半導体関連と、物色の対象は多少異なるものの、いずれもグロース株の上昇が目立つ結果となった。
●2017年4~5月● | ●2023年4~5月● | |||||
銘柄名 | コード | 上昇率 | 銘柄名 | コード | 上昇率 | |
1位 | 任天堂 | 7974 | 30.30% | アドテスト | 6857 | 47.30% |
2 | 東エレク | 8035 | 29.1 | 京成 | 9009 | 31.3 |
3 | 資生堂 | 4911 | 27.2 | NEC | 6701 | 28.4 |
4 | 古河電 | 5801 | 23.9 | 富士フイルム | 4901 | 27.4 |
5 | ミネベア | 6479 | 21.7 | スクリン | 7735 | 25.2 |
6 | サイバー | 4751 | 21.4 | 関西電 | 9503 | 23.6 |
7 | 楽天グループ | 4755 | 20.7 | パナHD | 6752 | 23.6 |
8 | 日産化 | 4021 | 19.9 | 東京海上 | 8766 | 23.4 |
9 | バンナムHD | 7832 | 18.8 | 大塚HD | 4578 | 23.1 |
10 | 富士通 | 6702 | 18.6 | 横河電 | 6841 | 22.4 |
11 | IHI | 7013 | 18.5 | 鹿島 | 1812 | 22.3 |
12 | フジクラ | 5803 | 18.5 | キッコマン | 2801 | 22.1 |
13 | ネクソン | 3659 | 18.2 | コナミG | 9766 | 21.8 |
14 | クラレ | 3405 | 18 | 三菱重 | 7011 | 21.1 |
15 | コムシスHD | 1721 | 18 | HOYA | 7741 | 20.6 |
(注)2023年6月1日時点の日経平均構成銘柄で比較。3月末終値と5月末終値を比較。証券略称は1日時点。 |