【NQNニューヨーク=川上純平】投機筋が米株の売り持ち高を積み上げている。米商品先物取引委員会(CFTC)によれば、投機筋による「Eミニ・S&P500種株価指数先物」の売越幅は5月30日時点で前週比7%増の43万4170枚。サブプライム問題が表面化した07年の40万8653枚を上回り、QUICKでさかのぼれる2001年以降で最高となった。
一方、ハイテク株に対して投機筋は強気のようだ。「Eミニ・ナスダック100株価指数先物」は5月30日時点で8512枚の買い越しだった。買越幅は5月の2万枚超に比べて減ったものの、S&P500種先物との売買動向の違いは鮮明だ。
ナスダック100の今年の上昇率は6月2日時点で33%と、同期間のS&P500種(12%高)を大きく上回る。5日には米国を代表するハイテク株のアップルが上場来高値を更新したばかり。投機筋はハイテク株に買いを入れても、米株全体では下落リスクへの警戒を強めているようだ。