【NQNニューヨーク=矢内純一】8日の米株市場で値動きが目立った銘柄は以下の通り。△は上昇、▲は下落。
◎中古車ネット販売のカーバナ(CVNA) △56.0%
8日の投資家向け説明会に併せて2023年4~6月期の業績見通しを上方修正し、業績回復への期待が高まった。中古車市場の減速で業績が落ち込んでいたため、昨年から大幅なコスト削減や債務再編などを進めている。株価は昨年末から7日までに約3倍となっていた。
◎ソフトウエアのアドビ(ADBE) △5.0%
生成AI(人工知能)が要望に沿った画像やプレゼン資料などデジタルコンテンツの作成を補助する新サービスを8日に発表した。AI関連として物色された。これとは別に、ドイツ銀行は生成AIが収益の拡大につながる可能性を指摘し、目標株価を引き上げた。
◎情報セキュリティーサービスのゼットスケーラー(@ZS/U) △2.7%
オッペンハイマーが7日付で投資判断を「買い」、目標株価を180ドルとして調査を開始した。高い成長性に加え、フリーキャッシュフロー(純現金収支)の創出力、顧客企業の中で確立されたブランド力があることを高評価の理由に挙げた。
◎電気自動車のテスラ(TSLA) △4.6%
ロイター通信が8日、「スペインのバレンシア州政府幹部と自動車工場の投資について協議している」と伝えた。現地メディアの報道では、投資規模が45億ユーロに達する可能性があるという。今週は、米国で主力セダン「モデル3」の全車種が米政府のEV販売補助金の対象となることも報じられていた。カリフォルニア州では税還付などを加味すると実質価格がトヨタ自動車の「カムリ」より安くなるという。8日の取引では、10日続伸して終えた。
◎ネット通販のアマゾン・ドット・コム(AMZN) △2.5%
「動画配信サービス『プライム・ビデオ』で広告付きプランの導入を計画している」との報道が7日にあった。これに対して、バンク・オブ・アメリカは「顧客の情報や既存の広告主との関係に加え、広範な営業力は、広告付きプランを収益化することに有利に働く」との見方を示した。このほか、ウェルズ・ファーゴ証券は投資判断を「買い」、目標株価を159ドルで調査を開始した。
◎新興電気自動車のルーシッド・グループ(LCID) ▲1.9%
ロイター通信が8日、「ルーシッドの中国事業の責任者が同国の自動車市場に参入する準備を進めていると明らかにした」と伝えた。中国で輸入車を販売するほか、現地生産も検討しているという。買いが先行したものの、次第に売りに押された。
◎宝飾品販売のシグネット・ジュエラーズ(SIG) ▲10.7%
8日発表した23年2~4月期決算で売上高が市場予想を上回る一方、24年1月期通期の業績見通しを下方修正した。母の日の需要が想定ほど盛り上がらなかったほか、経済環境の悪化で消費者がより価格に敏感になり、値引き競争が激しくなっていることを理由に挙げた。