【NQNニューヨーク=矢内純一】13日の米株市場で値動きが目立った銘柄は以下の通り。△は上昇、▲は下落。
◎英サッカークラブのマンチェスター・ユナイテッド(MANU) △13.8%
クラブを保有する米資産家のグレイザー家が成績不振などを理由に売却交渉を進めるなか、「カタールの元首相の息子であるシェイク・ジャシム氏が優先交渉者に指名される」と伝わった。英国の大富豪、ジム・ラトクリフ氏と買収を争っていたとされる。売却交渉が進展しているとの期待から買いが入った。
◎通販サイトのオーバーストック・ドット・コム(OSTK) △3.7%
4月に経営破綻した生活雑貨販売大手のベッド・バス・アンド・ビヨンドの一部資産を2150万ドルで買い取ると伝わった。ロイター通信によると、この取引ではベッド・バスの知的財産、ビジネスデータ、モバイルアプリのほか、一定の債務を含むという。
◎カジュアル衣料のアーバン・アウトフィッターズ(URBN) △3.5%
モルガン・スタンレーが12日付で投資判断を「中立」から「買い」に、目標株価を21ドルから41ドルに引き上げた。女性向け衣料品に回復の兆しが見られるうえ、アナリストの2023年5月~24年1月期見通しの平均が過去の傾向と比べても保守的なため、1株利益の上振れ余地が大きいと指摘。バリュエーション(投資尺度)で見た相対的な割安感もあるという。
◎銀行のウェルズ・ファーゴ(WFC) △2.0%
13日に開かれた投資家向け会議で経営陣が2023年12月期の純金利収入について、「預金水準や利息次第では下期に上振れの可能性があるとみていたが、時の経過とともにその確度が高まっている」と説明した。業績回復への期待から買いが入った。
◎IT(情報技術)のオラクル(ORCL) △0.2%
12日に発表した2023年3~5月期の売上高や1株利益が市場予想を上回った。人工知能(AI)関連サービスを中心にクラウドサービスのかつてないほどの需要がみられているという。ドイツ銀行やジェフリーズなど目標株価の引き上げも相次いだ。上場来高値を更新したが、その後は利益確定売りにおされ、上げ幅を縮めた。
◎スマートフォンのアップル(@AAPL/U) ▲0.3%
UBSが12日付で投資判断を「買い」から「中立」に引き下げた。先進国でアップル製品の需要の落ち込みが続いていると指摘。23年後半に「iPhone(アイフォーン)」は少なくとも1~2%減り、「Mac(マック)」も3~5%落ち込むとの予想を示した。需要環境が悪化するなかで、足元のアップル株のバリュエーション(投資尺度)は説得力ある水準ではないという。
◎地銀のザイオンズ・バンコーポレーション(ZION) ▲1.6%
純金利収入の先行き見通しについて、「緩やかに減少」から「減少」に下方修正した。12日に米証券取引委員会(SEC)に提出した資料で明らかにした。4~6月期の純金利利ざや(NIM)は2.85%と見積もっているが、QUICK・ファクトセットの市場予想(3.07%)に届かない。