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円4カ月ぶり109円台 日銀総裁発言も買い材料に

最終更新 2018/1/24 16:48

円相場の上昇が止まらない。24日の東京外国為替市場で一時1ドル=109円81銭近辺と2017年9月中旬以来、約4カ月ぶりの円高・ドル安水準を付けた。日銀の黒田東彦総裁が23日の記者会見で、海外で広がる金融緩和の縮小観測をはっきり否定したにもかかわらず、欧米投機筋を中心とした円買いは途切れなかった。対ユーロなどで強いドル安の流れを背景に円買い・ドル売りが進む構図が続いている。

「円を積極的に買える材料は乏しいのだが…」。国内の市場参加者は総じて戸惑いを隠せない。三菱東京UFJ銀行の内田稔チーフアナリストは「17年9月のように北朝鮮問題への懸念から投資家のリスク選好意欲が衰えているわけではなく、低金利国通貨の円の上昇には説得力のある理由が見当たらない」と話す。

日銀の緩和縮小観測を誘い円高・ドル安の一因となった9日の国債買い入れオペ(公開市場操作)減額についても、黒田総裁は23日の会見で「オペの金額やタイミングは実務的に決まる」と強調した。「緩和からの出口を検討する局面に至っていない」とも述べ、一時は円には売りが出た。ところがロンドンの取引時間帯に入るとあっさりと円買い・ドル売りが優勢になった。

投機的なドル売りの背景にはユーロ高・ドル安シナリオへの自信がある。ユーロ圏の量的緩和の縮小はゆっくりと着実に実施され、ユーロ需給も長い時間をかけて引き締まっていくとの見方が支配的だ。しかもドイツなどの貿易黒字国を抱え、放っておいてもユーロ高の圧力がかかる。「トランプ米大統領が保護主義的な姿勢を強めていることも考慮すればユーロ買い・ドル売りには安心感が出やすい」(クレディ・アグリコル銀行の斎藤裕司外国為替部長)。ユーロは足元で1ユーロ=1.2335ドル近辺と3年ぶりの高値圏で推移している。

ドルが対ユーロで大きく下落すれば、他の通貨に対してもドルは売られやすくなる。対円も同様だ。「円を買う口実は何でもいい」とばかりに円買い・ドル売りが入っている。23日の黒田総裁の会見に関しても、「日銀が円高をけん制しなかったとの解釈で円買いが入った」(みずほ銀行国際為替部の佐藤大次長)との指摘が聞かれた。

円高・ドル安はどこまで続くのか。三菱東京UFJ銀の内田氏は「米経済が好調に推移することで米国の経常収支が赤字になったり、米国の機関投資家が対外投資を増やしたりする可能性に市場の関心が向かうかもしれない」と指摘する。ドル売り材料に敏感な構図はまだ続くというわけだ。円が昨年の高値である1ドル=107円台を試すとの予想も出始めている。

【日経QUICKニュース(NQN) 荒木望】

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