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「投資家は先行きの備えを強めている」 仏ナティクシスのビラル氏

仏金融グループ大手BPCE傘下で、ルーミス・セイレス、ハリス・アソシエイツなど著名運用会社を抱えるナティクシス・インベストメント・マネージャーズのインターナショナル・セールス&マーケティング部門責任者、オリバー・ビラル氏は15日、QUICKのインタビューに応じ、「世界経済の先行き懸念から、多くの投資家はリスクを小さくする運用にシフトしている」と語った。インタビューの主な内容は以下の通り。

――世界の投資家はいま、どういった資産やファンドに好んで投資しているのか
「オルタナティブ投資への関心を強めている。引き合いが強いのは、日々解約できる『リキッド・オルタナティブ』と呼ばれる属性のファンドだ。リキッド・オルタナティブを手がける傘下のH2O(エイチ・ツー・オー)アセット・マネジメントでは、相対収益型債券ストラテジー『マルチ・アグリゲート』、絶対収益型グローバル・マクロ戦略ファンド『アダージオ』の預かり資産が大きく増えている。中でもアダージオは、ここ2~3年で日本の機関投資家から700億円ほどの資金を新規に受託した」

「実際、この2本のファンドは運用成績も良好だ。マルチ・アグリゲートは債券相場が大きく下落した19年2月や4月にプラスのリターンを獲得した。もう一方のアダージオは、世界的に金融市場が大きく荒れた2018年12月に1.4%(円建て)のリターンを得るなど、安定して稼ぎ続けた。3月末までの1年間で、4%近くの収益をあげた」

――なぜ投資家はオルタナティブ投資に資金を振り向けているのか
「顧客の大半は金融機関だ。負債と資産のデュレーションを一致させたいニーズから、長期間安定して利息収入を得られる債券中心に投資している。世界的な金融緩和などで先進国を中心とした低金利環境が続き、より高い利回りを確保する必要があるためだ」

――日本株への海外勢の関心が薄い理由をどう見ているか
「日本企業の多くは多額の現金を抱えている。新規投資や配当にあまり振り向けてこなかったため、ほかの地域と比べて自己資本利益率(ROE)が低い。最近は変わってきているが、まだ発展途上だろう。中にはキーエンスのように、海外投資家向けに積極的にアピールしている企業もある。こういった、海外でのコミュニケーションを図ろうとする企業を早くから見つけていこうと、我々も取り組んでいる」

――今後、投資マネーはどこに向かうとみているか
「米国は景気の拡大が続いている。過熱気味になることで米連邦準備理事会(FRB)による利上げ確率も高まり、社債への投資ニーズが増えてくだろう。一方で、低成長が続き、利上げも難しい欧州では、引き続きオルタナティブ投資など比較的高い利回りが得られる資産への資金流入が続くとみている」

「ESG投資への資金流入も続くだろう。最新のアンケート調査では、回答した機関投資家の約6割が『ESGのパフォーマンスにアルファを認識している』と答えた。社内でもESGに関するリサーチに振り向ける人材を増やしており、この動きは広がるだろう。ESGは若者などにも浸透しつつあり、今後ますます、こうした考え方が重要になってくる」

――欧州連合からの英国の離脱(ブレグジット)による運用などへの影響は
「ブレグジットが実際に起きてみないとわからない。投資家にどういった運用機会を提供したり、事業環境を変化させたりするのか、いまのところ見通しは全く立っていない。ただ1つだけいえるのは、メイ首相の後任に前外相で保守党議員のボリス・ジョンソン氏が就いた場合、英国経済は大荒れの展開になるということだ」

 聞き手:QUICK 大野弘貴

 オリバー・ビラル氏
 ナティクシス・インベストメント・マネージャーズ、インターナショナル・セールス&マーケティング部門責任者。印バローダ・パイオニア・インベストメンツの最高経営責任者、アリアンツ・グローバル・インベスターズ・ヨーロッパの法人向け事業開発およびコンサルタント・リレーションズの責任者などを歴任。シカゴ大学にてMBA修了。

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